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  組合だより   


アレルギー物質の表示     (目次に戻る)
 

▼先だって、某有名食品会社がアレルギー物質の表示をしなかったことがマスコミで報道されました。

▼アレルギー物質は、人によっては健康に直接かかわりがあるだけに、その表示には十分注意する必要があります。

▼食物アレルギーは、食品を摂取した際、身体が食物(とくにその中の特定のたん白質)を身体に合わないものとして身体自体が認職し、その異種物質から身体を防御するために過敏な反応を起こす現象です。症状としては、かゆみ、発疹、くちびるやまぶたの腫れ、嘔吐など多岐にわたります。重症の場合は血圧低下、意識障害などを起こしたり、ときにはショック症状を起こして死に至ることもあります。

▼食物アレルギーは、生まれながらにもっていることもありますが、成長過程ではじめて現れる場合も少なくありません。
 数年前、東京都が実施した乳幼児検診受診者を対象にしたアレルギー疾患に関する全都調査の結果では、約10%の有症率でした。でも、この有症率は乳幼児期から学童期にかけ、年令を重ねるにつれて減る価向があります。

▼しかし、その一方では成人になってから発症する人もいます。
 このような食物アレルギー体質の人が発症を未然に防止するためには、アレルギー物質を含む食品を摂取しないことですが、そのためには消費者に十分理解できるような情報提供が欠かせません。

▼そこで厚生労働省は平成13年4月からアレルギー物質を含む食品につき、食品衛生法に基づいて表示をすることになりました。対象となるのは、販売の用に供する食品のほか、一般消費者には直接販売されない食品の原材料も含まれます。これらについては、流通のすべての段階で表示が必要になります。

▼表示が義務付けられた対象品目は、

 卵(食用の鳥の卵)、乳・乳製品(牛の乳を原料にしたもので、乳等省令に収載された29品目及び乳糖)、小麦、そば、落花生(ピーナッツバター、ピーナッツクリーム等も含む)の5品目。

▼これらは特定原材料といい、発症頻度の高いもの若しくは重症になりやすいものです。
 このほかに表示は義務付けられてはいませんが、厚生労働省が表示を推奨するものとして、あわび、いか、えび、かに、牛肉、さけ、大豆、まつたけ、りんご、ゼラチン等、特定原材料に準ずるものとして、19品目があります。
 

▼これらの品目については、
 そのまま使用されるものについてはいうまでもありませんが、これらがわずかに入っているものでも表示することになります。

▼表示が必要な最低下限値についてはとくに規定はありませんが、対象食品等の総たん白含量が数PPm以上含まれている場合は表示が必要とされています。

 これは、食物アレルギーを起こす量には個人差があり、極く微量でも発症する人がいるためです。一般に添加物を表示するとき、キャリーオーバー(使用する原材料に含まれている添加物で、最終製品に残るが、それ自体は全く効果を発揮しないもの。
 

▼例:クッキーに使用したマーガリン中の乳化剤)あるいは加工助剤(加工食品を製造する過程で使われ、最終製品にはほとんど残らないもの。

▼例:豆を煮るときに便う消泡剤等)については表示を免除されますが、アレルギー物質表示では、例えばマーガリンの乳化剤が大豆に由来するものであれば、残存量が微量でもその旨の表示が必要です。
 とくに他所で製造された食品や原材料を使用するときは、その表示に十分注意する必要があります。
 もし、アレルギー物質表示をしなかった食品が原因でアレルギーを発症した揚合、製造物責任法(PL法)に抵触するおそれがあります。



 
▼ そばはアレルギー物質としての表示義務のある五品目のうちの一つで、アレルギーの発症頻度は卵や牛乳ほど高くはありませんが、アナフィラキシー症状(アレルギーの原因物質が体内にはいると、急激なショックで意識を失ったり、死亡することもあり、アレルギー症状の中で、生命に危険が及ぶほどの生体反応を示す症状)を起こすことも少なくないといわれています。


▼ところが市販食品の中にはそば粉が入っているものも少なくありません。
 それも、意図的に使用したものではなく、気が付かないうちに混入し、食品を汚染してしまうのです。 

▼こうした背景のもとに、国民生活センターは、小麦粉を使用した食品を中心に二八三銘柄についてそばの含有に関するテストを行い、その結果がこのほど公表されました。テスト品の中には菓子類51銘柄(和菓子、スナック菓子、ホットケーキ、たいやきその他)も入っています。

▼テストの結果、そばたん白が10ppm(小麦粉1kg当たりそぱ粉として0・07g〜0・16gに相当)以上のものが7銘柄ありました(厚生労働省が通知した検査方法によると、そばたん白の含有量が10ppm以上のものは陽性として、そば粉が存在していると判断される)。このうち2銘柄は店頭で量り売りされるものや、その場で包装されるものなど表示義務のない対面販売のもので、残りの5銘柄は容器に入れて包装されていましたが、原材料の柵にはそばの表示は見当たりませんでした。

▼つまりこの5銘柄の商品に存在したそばは原材料としてではなく、無意図的に混入したものと考えられます。
 また、そばの検出量が10ppmまでは至らなかったものの、1ppm以上検出されたものは22銘柄ありました。人によっては数ppmでもアレルギー症状が現れることは否定できないので、アレルギー物質による汚染には十分な注意が必要です。とくに、原材料の納入時、保管時の取り扱い、製造時の管理、各作業所における整理、整頓、清掃等に留意したいものです。

▼こうした心がけは、そばに限ったことではありません。
 表示義務のある小麦、乳・乳製品、卵、ピーナッツはもちろん、表示義務の対象になっていない19品目についても同じです。
 しかし、神ならぬ身であってみれば、注意は十分にしても絶対に安心とはいい切れません。

▼そこで、製造業者が自発的に、一括表示の柵外に「本品の生産工場では○○を含む製品も製造しています」などの注意喚起表示をした加工食品も時々見られるようになりました。
 今回の国民生活センターの調査でも26銘柄(約9%)の商品に注意喚起表示が記載されていました。  
 
▼このような表示により、無意識に混入したアレルギー物質で発症した場合、責任を完全に回避することは無理かもしれませんが、情状酌量の余地はかなりあるように思われます。
 
▼また、全体の46%にあたる一二九銘柄の商品には、原材料表示とは別にアレルギー物質を含むことを示す「原材料の一部に乳成分、小麦を含む」などと強調した表示も見られました。

▼ なお、こうした注意喚起の表示が見られた一方で、一部のスナック菓子や焼き菓子に、「そば、卵、乳、落花生を含まず、おいしさそのまま!」など、アレルギー物質を含まないことを強調する表示も見られたことも付け加えておきます。