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これからの菓子博の方向  (目次に戻る)


▼ここに掲載する「これからの全国菓子大博覧会の方向について」とする報告書は、第29回全国菓子業者大会(平成10年5月16日 第23回菓子博最終日に盛岡で開催)に提案され承認されたものです

▼第23回菓子博(岩手)は、成功裏のうちに終了しました。次回の第24回菓子博は、21世紀最初の菓子博となることにあたり、菓子博も大きな時代環境の変化の中で、新しい装いのもとにさらなる発展を求めるべきではないかとの問題提起が起こされました。

▼そこで、これからの菓子博のあり方を求めて、全国菓子大博覧会協議会(全国菓子工業組合連合会と全日本菓子協会とで構成)で討議が重ねられ、その成果が業者大会に提案されたものです。


       これからの全国菓子大博覧会の方向について
                                 平成10年5月16日
                             全国菓子大博覧会協議会

 全国菓子大博覧会(以下菓子博という)は、明治44年の第1回帝国菓子飴大品評会の開催以来、今回の第23回大会に至るまでおよそ100年その時の社会的事情の下、その時代に即した形で開催されてきた。

 この間、菓子の製造技術の発展、菓子業界の振興に大きな成果をあげるとともに、国民の食生活、食文化の向上に大きく寄与してきた。

 しかしながら、社会の変遷の中でこれまでの菓子博をそのままの形で継続していくことについて様々な問題が生じてきている。

 このため全国菓子大博覧会協議会では、菓子博が新しい時代的要請に応え国民一般に一層親しまれるものとなっていくために、菓子博はこれからどうあるべきか検討を重ねてきた。 次期開催地を推薦するにあたり、全菓博協議会での検討の結果を紹介し、これからの全国菓子大博覧会の方向についての提言としたい。


1.目的と意義

 成熟した消費社会が成立をみている今日、従来より一層消費者指向を強くしていくべきである。
 とくに、来場した消費者がお菓子を「見たい、食べたい、買いたい、作ってみたい、知りたい」という5つの欲望を満たし、心から楽しめる消費者参加型が望まれる。そのことによって、お菓子に対する消費者の理解が深まり、需要の維持・開発にも繋がるものと考えられ、全国の菓子業者が参加して菓子博を行う意義もより明確になるものと考える。 


2.自治体との関係

 今日、菓子博は自治体との関係が非常に深いものとなっている。本来菓子博は菓子業界による博覧会であるが、菓子業界単独での菓子博を考えてみると規模はかなり小さなものとなり、全国の菓子業者の参加を得て行う消費者指向のイベントとしてはその意義が薄れてしまう可能性がある。従って可能な範囲で、自治体の協力・支援を得て両者の協調のもとに行われることが現実的であると考える。

 また、菓子業界だけで観光業や交通業、情報・通信業など地域の周辺業界・団体と一体となってイベント性の強い菓子博を行うにはかなりの困難がある。準備や運営にあたっての人的資源、ある程度の入場者の確保、必要資金の確保などを考えると自治体の支援・協力が望まれるところである。自治体にとっても、地域活性化の手段としての意味は充分あると考える。


3.事業規模

 近来、菓子博は開催の都度事業規模の増大がみられるが、その時々の経済・社会の状況や開催地域の事情を考慮して、これまでの菓子博の規模や形式にこだわらず、開催されることが望まれる。


4.開催間隔

 現在4年に1度が一応のルールになっているが、この間隔では菓子業者の負担が大きいので、おおむね5年に1度ぐらいの頻度にするのが望ましい。


5.開催日数

 展示する菓子の鮮度維持、労力の提供、施設の管理等の面を考えると現状の開催日数は長過ぎるので、全体規模の見直しと合わせ、短縮する方向で考える必要がある。


6.入場料

 現状はかなり高額になってきており、入場者にとって負担が大きくなっている。消費者指向の観点から、博覧会の内容と関連して、消費者の「見たい、食べたい、買いたい、作ってみたい、知りたい」という5つの欲望を充たし、消費者の支出に見合う満足が得られる水準としたい。


7.菓子業界の参加の仕方

 菓子博は菓子業界全体の行事として、全国の菓子業者の協力を仰いで開催されるものであり、協賛金の負担の仕方、菓子博における参加の仕方などにおいて、菓子業者及び各菓子工業組合の参加しやすい形を考える必要がある。

 また、菓子工業組合以外の団体についても、消費者指向を強め流れを作ることにより、菓子博の魅力を高め、より積極的に参加できるようにする必要がある。

 大手企業については、消費者対象のテーマ館への出展や製品提供など、より参加しやすい形を工夫する必要がある。


8.その他

(1)工芸菓子は、博覧会の展示の華ともいえるもので高い評価を受けているが、消費者に対しては、菓子業界からの一方的な展示となっている。菓子業界と消費者との交流という側面をより強調し、一定のテーマで競作をしたり、統一テーマで品揃えをしたり、消費者に投票してもらうなど、内容、展示方法等についてもっと消費者に喜ばれ、親しみを持たれるようにする工夫が必要である。

(2)各菓子工業組合の陳列規模について、各組合ともすべて同一小間となっている現状に、小規模組合に不満が生じている。各組合の事情を考慮し、小間の規模は選択制にすべきである。

(3)褒賞については、その価値観も変化しつつあり、必ずしも賞にこだわらない人も増加している。しかし、地域や業種によっては褒賞に対する要望が依然として根強いなど褒賞に対する感覚の温度差がある。
 こうしたことを踏まえ褒賞の今日的な意義、全体的な体系、受賞者の活用の方法、必要とする経費等を考え、褒賞の名義、賞状の大きさ、スタイル、楯など十分検討を加える必要がある。