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■HACCP手法支援法による制度の概略■ 1、本制度の法的根拠は下記名称の法律 「食品の製造過程の管理の高度化に関する臨時措置法」(HACCP手法支援法) 2、制度の内容 ○HACCP手法支援法に基づき制定された「菓子製品高度化基準」に沿った 設備・建物等、施設の整備に対し、「認定審査委員会」での審査の結果、 適正と認めらけれた場合は、「計画認定」を行います。 ○また、計画認定を条件として、金融等の支援が行われます。 ▼融資は「農林漁業金融公庫」からとなります。 ○計画認定完了後、計画通り工場が完成したとき、現地調査の結果に基づき、 「認定証」を発行します。 ■菓子製品の高度化基準■ 平成12年12月22日 厚生省収生衛第1133号・農林水産省指令12食流第3633号 一部改正 平成14年12月10日 厚生労働省発食第1210001号・農林水産省指令14総合第4386号 一部改正 平成15年7月1日 厚生労働省発食安第0701001号・農林水産省指令15総合第1272号 1.製造過程の管理の高度化の目標 事業者は、菓子製品の製造過程に次のようにコーデックスの7原則12手順を適用して 製造過程の管理の高度化を図ることとし、このための建物の整備、機械・装置の整備を行うと ともに、その運用体制の整備も併せて行うこととする。 <コーデックスの7原則12手順> (1) HACCP専門家チームの編成 (2) 製品の原材料、保存条件、流通方法等製品に関する文書の作成 (3)消費者が製品を摂取する際の形態を特定 (4)すべての工程を含んだ製品の製造過程図の作成 (5)製造過程図の現地確認 (6)各工程のすべての危害をリストアップして評価し、危害の管理方法を検討(原則1) (7)(6)でリストアップされた危害の発生を除去し、または許容できる水準まで軽減す ることが必要な重要管理点を特定(原則2) (8)(7)の重要管理点について、危害を防止するため管理基準を設定(原則3) (9)重要管理点を適切な頻度で監視するシステムの設定(原則4) (10)(9)の監視システムで、異常を発見した場合の改善措置を設定(原則5) (11)(9)の監視システムの検証の手順の設定(原則6) と(12)(1)から(11)までの手順の文書の備え置き及び(9)の監視システムによる記録 が行われるよう文書を作成(原則7) 2. 製造過程の管理の高度化の内容に関する基準 (1)対象品目及び品目の製造過程 菓子製品を対象とする。 菓子製品の製造過程の管理の高度化は、生地調整で加熱する菓子、生地調整後加熱する菓子、加熱後手細工加工等が入る菓子、仕上げ(充填・巻き締め)工程後加熱する菓子、加熱加工しないあるいは低加熱加工の菓子についての一般的な製造過程を前提として取り組むものとする。 なお、( )は製品の種類によっては必ずしも必要としない工程である。 1)生地調整で加熱する菓子
加熱原材料の受入・保管 → 加熱原材料調整 → 生地調整 → (成形加工)→ 熱加工 → (前加工)→ 冷却 → 手細工加工等→ A 区画の分離等
B 分析・管理装置 D その他 ■菓子製品の製造過程5分類■ 各分類の清浄作業区域を下記のように整理しています。 申請書をしようとする菓子製品の工程が次のどれにあたるかを見据えて、 申請書を作成して下さい。
1.生地調整で加熱する菓子(流し菓子、あめ類(キャラメル、ドロップ)、ゼリー類、チューインガム) (a) 簡易包装等の場合
(b) 密閉包装の場合
3.加熱後手細工加工等が入る菓子(もち菓子、スポンジケーキ類、パイ菓子、シュー菓子、米菓)
(b) 密閉包装の場合
4.仕上げ工程(充填・巻き締め)後加熱する菓子(缶入りようかん)
※ 高度化基準の申請にあたっては、下記の「高度化計画認定業務規程」に 基づいて審査・認定を行いますので、参考にして下さい。 ■高度化計画認定業務規程■ 平成12年12月22日 厚生省収生衛第1134号・農林水産省指令12食流第3634号 一部改正 平成14年12月10日 厚生労働省発食第1210002号・農林水産省指令14総合第4387号 一部改正 平成15年7月1日 厚生労働省発食安第0701002号・農林水産省指令15総合第1290号 (総 則) 第1条 全国菓子工業組合連合会(以下「連合会」という。)が行う「食品の製造過程の管理の高度化に関する臨時措置法」(平成10年法律第59号)(以下、「法」という。)第8条第1項の規定に基づく指定認定機関としての製造過程の管理の高度化に関する計画(以下、「高度化計画」という。)の認定業務(以下、「認定業務」という。)に関しては、この規程の定めるところによる。 (食品の種類) 第2条 連合会が行う認定業務の対象とする食品の種類は、菓子製品とする。 (認定業務を行う事務所の所在地) 第3条 認定業務を行う事務所の名称及び所在地は、次のとおりとする。 全国菓子工業組合連合会 東京都港区南青山五丁目12番4号 (認定業務を行う時間及び休日に関する事項) 第4条 認定業務を行う時間は、午前9時から午後5時までとする。ただし、次の日は休日とする。 1. 土曜日、日曜日及び国民の祝日に関する法律で定める休日 2. 年末年始 12月28日から1月4日まで。 3. 前2号に定めるもののほか、特に連合会理事長(以下、「理事長」という。)が指定する日 2 理事長は、認定業務遂行上特に必要と認めたときは、前項の規定にかかわらず業務時間外又は休日に勤務を命ずることができる。 (出張業務) 第5条 理事長は、認定業務遂行上特に必要と認める時は、第3条の規定にかかわらず次条第1項の審査員をその他の場所に出張させて、その業務を行わせることができる。 (認定業務を行うものの職務及び倫理に関する事項) 第6条 認定業務を行う者(以下「審査員」という。)は、HACCP専門講師養成講習会を終了した者又はHACCPシステムについて専門的知識を有すると理事長が認める者であって高度化計画の認定の業務の公正な実施に支障を及ぼすおそれがない者をもってあてる。 2 審査員は、認定申請のあった施設の高度化計画が認定高度化基準に適合しているかの審査、高 度化計画の実施状況の点検その他必要な業務を行うものとする。 3 審査員は業務を公正かつ適確に行うとともに、認定の審査に関し知得した業務上の秘密を漏らしてはならない。 (審査員の配置に関する事項) 第7条 審査員は3名以上からなる認定審査会を組織し、委員長を決定する。 2 審査員の半数以上は、会員の組合員以外の者とする。
(高度化計画の変更)
2 認定手数料は、申請書に現金を添えて納入するものとする。都合により銀行振込、又は小切手
■総合衛生管理製造過程総括表■ 製造工程の管理のために「総括表」を作成しています。 各工程でどのような危害が考えられるか、その防止にはどうしたらよいか、防止のための管理をどうのようにするか、万一危害を発見した場合、改善処置はどうするか、検証はどのようにするか、記録はどのようにするかなどを一覧表にすることによって全体が分かりやすくなります。 この総括表に基づいた製造工程を作り、動かすことによって、安全・安心な製品が造れることになります。 ![]() ■原料規格書の取り扱い■ 安全・安心な製品を製造するため、使用する原料については、「原料規格書」を原料メーカーから取り寄せることにしています。 原料受け入れのとき、「原料規格書」を確認することによって確かな原料を使用することになります。 特別寄稿 桜井甘精堂 桜井昌季氏
HAACP手法支援法に基づく高度化計画を導入して 私ども桜井甘精堂は、長野県の北、長野市から車で30分程にある小布施町で、栗菓子屋を営んでおります。 私どもが高度化計画のことを知ったのは、平成15年の春のことでした。平成14年当時、使っていた本杜工場は築30年を越え、衛生環境の充実を望む取引先の要望にはとても応えられる環境ではありませんでした。また廻りを店舗や住宅が囲み、拡張はおろか改築もままならない状態でした。一念発起し、新工場建設に向けての準備を始めたのですが、設計の段階で最初にして最大の問題に悩まされることとなりました。『どこまでやるか』ということです。衛生環境が1から10までの基準があるとすると、私たちはどのレベルを目指せば良いのか、ということです。何より、その知識が決定的に不足しておりました。 そしてそれは当然建設コストにも絡んでくる話です。設計士と二人、HACCPの本を広げてはああでもない、こうでもないと悩む日々が続きました。そうして出来た最初の設計図は、まるで薬品会杜のように厳重に過ぎ、これは極端だろうと書き直した設計図は外部との仕切りが不十分と、迷走するばかりでした。そんなときに資金繰りの関係から高度化計画のお話しがあり、一石二鳥とばかりに高度化計画への取り組みが始まりました。 私達桜井甘精堂は創業して二百年、昔ながらの伝統の味を守ることで商いを続けてまいりました。その製法は極めて家内手工業的で、多くの人の手を介して、「職人のカン」なるものを頼りに菓子づくりを続けています。今までの、そしてこれからも続くこのやり方と、HACCP手法がなじむのか大変不安でした。しかし、製造工程をむやみに変えるといことではなく、HACCPの視点から製造工程の改善点を見つけていく、という作業は、私の持っていたHACCPへの先入観を変えただけではなく、今まで当然と思って続けていた製造工程を見直す良い機会となりました。もちろん容易い道のりではありませんでしたが、まわりを取り巻く皆さんのご協力もあって、なんとか認可を受けることができました。 本当に大変なのはこの後でした。高度化計画の実現も当然ですが、その中で培ったHACCPの視点から見ると、改善しなければならない什器設備のなんと多いことか。改めなければならない行動のなんと多いことか。 新工場への引越しにあわせて新しい体制で操業するべく、15年の秋から冬にかけてはその準備におおわらわとなりました。引越しが完了したのは16年の2月。実際に操業してから気づく不足面も多く、ようやく落ち着いたのは夏頃でしようか。 新しい環境に移って、早くも1年が経とうとしています。 一番変わったことは杜員の意識でしょう。今まで新しいことへの意欲や提案など一度も出したことのなかった杜員からも、衛生面での不備の指摘や改善提案などが出てくるようになりました。これだけでも高度化計画を導入した意義があったと思います。もちろん、環境も意識もすべて整ったとは思っていません。まだまだ不備も多く、また新しい改善点も多く出てくるだろうと思います。これをステップに、更に良い製品を作ることが出来るよう努力していきたいと思っております。そして時問が経つにつれあいまいになるであろう杜員の意識を出来るだけ維持できるよう、共に学習していきたいと思います。 最後になりましたが、ご指導いただきました諸先生方、そして全国菓子工業組合連合会の皆様に厚く御礼申し上げます。誠にありがとうございました。
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