香川県菓子店

2015.03.19

継承と創業

老舗洋菓子店の大きな転機

フランス菓子工房ラ・ファミーユ 弊社、㈱春風堂は昭和23年創業の洋菓子店で、今年創業67年を迎えます。祖父の千切谷博が創業し私が4代目の社長となります。

 春風堂は戦後、その高いブランド力のもとで香川県下に30店までチェーン店を展開しておりましたが、バブル崩壊後、急速に業績が悪化し大胆な改革が必要な時期を迎えておりました。

 私は1999年に帰郷し家業を継ぐこととなりましたが、入社後すぐに勤務した製造現場には暗く重苦しい雰囲気があったのを憶えています。当時は何をしていいのか分からないままただがむしゃらに仕事をしておりましたが、結果が出ずもんもんとした日々を送っておりました。老舗ということもあり、どうしてもこれまでのイメージを変えることが出来なかったのです。

まっ黒チーズケーキ そうした中、これまでとは違う全くのゼロから新事業を創造したいという意識が徐々に湧いてきて、2001年に、春風堂とは切り離した新しい店舗であるフランス菓子工房ラ・ファミーユを高松の郊外に立ち上げることとなります。周囲は反対しましたが、製造の全ては店舗内の小さな厨房で行い、家内を含めた少数のスタッフで全てを切り盛りしておりました。今思えば、それが大きな転機となって少しずつですがファンも増え始め業績も回復していきました。

 2008年にスタートした通信販売事業では、今でもファミーユの看板商品であるバウムクーヘンとまっ黒チーズケーキが好評を得て柱の事業のひとつへ成長しました。

 現在、ラ・ファミーユブランドにて洋菓子専門店を郊外に3店舗、地元百貨店内に1店舗展開しており、昨年の7月には新規ベーカリー事業としてブランジェリー ラ・ファミーユをオープンしています。

 無論、ラ・ファミーユの立ち上げが出来たのも家業としての基盤があってのことですが、ただのイメージ戦略ではなく、商品を含めて全てゼロからの事業立ち上げにこだわったことが結果として新しいブランドが根づいた一番の要因だと思います。

 今後も「代々創業」という思いをもって新しい取り組みにチャレンジしていきたいと思います。

 香川県菓子工業組合・千切谷耕一郎