滋賀県菓子店

2015.01.16

老舗の新感覚カフェ

新たなチャレンジから

でっち羊羹 私は近江八幡で江戸時代から続く、和菓子製造販売店を経営しております。当代で五代目、滋賀を代表する銘菓「でっち羊羹」発祥の店として、近江八幡はもちろん県外のお客様にもご愛顧頂いております。ここ数年近江八幡は観光地としての人気が高まり、当店のお客様もずいぶん観光のお客様が増えました。地域のお客様には、何の説明もしなくてもお買い上げ頂いておりましたが、観光のお客様にはそういう訳にはいきません。商品の原材料はもちろん、商品が生まれた歴史的背景の説明に力を入れています。また従業員には直接販売に関係無くとも「町のコンシェルジュ」として、近江八幡にお出でになる方々に「素適なところ」「また訪れたい」と思って頂ける接客を指導しています。

 当店は平成25年に創業150年の節目を迎え、記念事業として古民家を改装したカフェをオープンしました。地元に人のくつろぎの場はもちろん、観光スポットとしての役割も果たしております。まったく新しい試みに、当初は私も従業員達も戸惑いばかりでしたが、ようやく店舗経営も軌道に乗りかけています。

羊羹などを使用したパフェ カフェでは通常の喫茶メニューに加え、当店の商品販売はもちろん「商品を店内で食べたい」という以前からの声を受け、飲み物と共に提供しております。また、そのまま商品を出すのではなく、パフェやケーキなどに使用しています。このことは「老舗の新しいチャレンジ」「新感覚カフェ」として多くのマスコミに取り上げて頂きました。カフェのスタッフはお菓子を食べた直後の感想や意見をダイレクトに聞くことが出来て、本業の商品開発やサービスの向上に大きな刺激を受けることが出来ました。

 消費不況や後継者不足が言われる菓子製造業界ですが、当店のように小規模な店は、作り手の顔がお客様に直接見える強みがあります。信頼の出来る人の作る商品が、信頼の出来る商品になるとの信念を持ち、仕事以外の地域活動にも積極的に参加しています。県内の組合員の仲間も小規模店が多く、今後はこのようなことを若いメンバーに伝えて行きたいと思っています。小さくとも信頼される人が、菓子の製造販売を通して地域に貢献する。そしてこれから創業160年、200年と信頼され続ける店を作っていきたいと考えています。県内の若い組合員にも積極的に関わり、地域や滋賀の菓子文化の継承と発展に力を尽くしたいと思っています。

 滋賀県菓子工業組合青年部・小川与志和