各地の菓子店探訪,岡山県菓子店

2014.10.16

伝統和菓子店 芭蕉庵を訪れて

白神社長学

白神孝男氏 表町商店街にある老舗和菓子店「芭蕉庵」をご紹介いたします。創業明治42年三代目社長白神孝男氏現在94歳現役、お話を伺いたいとお願いすると、快く引き受けてくださいました。

 原始時代、原始人は動物性のものを食べていたが、やがて落ちた木の実を食べ、それを食べる動物が種をまき、育った木の実や葉もいただくようになりました。更に人は発達して健康のため、儀式のために食べ物をいただくようになりました。植物性の物をいただくことの必要性を生きながら学んでいたのでしょうか?話は神の時代、ソクラテスの道徳、プラトンの哲学へと…社長の話にだんだんとついていけなくなっています。

芭蕉庵 さて、お店を切り盛りするのは2人の娘さんです。上生菓子と抹茶をごちそうになりました。暑い日には、冷茶といつも心遣いの嬉しいお店です。

 話は『白神社長学』に戻ります。インドの仏教や2桁の九九、発見された砂糖の3つの文化が、シルクロードを通じて中国に伝わり、舟ができて日本にも文化が伝承され、僧の栄西が中国よりお茶の種を持ち帰り、はじめて日本に植えたとされる地が背振山。「背振山」の名を冠す芭蕉庵考案の茶席菓子は、毎年後楽園に於いて開催される栄西禅師賛仰大茶会第五十回献茶式の際、宗匠よりこれはうまいと激賞されたそうです。

 創業当時、岡山には高級なお菓子が少ないので、もてなしの茶席にふさわしいお菓子を作って欲しいとの依頼を受け、茶人や歌人、文士、画家たちの意見を聞き、後楽園を流れる美しい旭川をテーマにしたお菓子を作ろうと落雁「旭川」を完成させました。「旭川」は県内の博覧会で二等賞銀牌を受賞し店の評判が高まり、皇太子殿下(昭和天皇陛下)ご来岡行啓の際、天皇献上菓として選ばれ、たいそう喜ばれたそうです。

 創業から105年、創作に歴史と物語や自然美を菓子に込め、社長の情熱と支える家族の絆があるから人が集い、商いは継承して行く。『白神社長学』は勉強になるので、岡山にお越しの際は表町商店街にも足を運んでいただきたい。

 社長曰く、最近では甘いものを食べると太るという間違った考えを持った人が多いようですが、和菓子の材料は原料が小豆などの豆類、米・もち米など植物性で作られています。勉強するには唯一の『脳の栄養』砂糖は必要で、日本人はベジタリアンだから植物性の和菓子を好むはず、もっと一般の方々にも和菓子の良さを知っていただきたい。

 最後に社長より同業他社の皆様に学問として「菓子美学」より「菓子学」の創立が望ましいので、ご協力者を求めます。また、「日本の和菓子」に著作権を獲得したいので、協賛者を募ります。

 岡山県菓子工業組合事務局・萱野美香