各地の菓子店探訪,新潟県菓子店

2014.10.16

国の天然記念物「類産梨」が琥珀色の美しい羊羹に!

地元に密着したお菓子作りに励む

琥珀色の「梨ようかん」 全国的に米どころで知られている新潟県ですが、果物の生産も盛んで日本梨の生産・出荷量は全国で7番目を誇っています(平成24年度統計)。新潟市郊外の南区月潟地区では稲作のほか果樹栽培も行われ、この時期は梨のさまざまな品種が収穫されています。

 また、同地区でひときわ目を引くのが樹齢200年以上の「類産梨」で、国の天然記念物に指定されています。根回り2・4mで、地上1mのところから8本の大枝に分かれている巨木ですが、現存しているのは一本のみです。その珍重な類産梨を使ったお菓子が地元にあるので、ご紹介いたします。

 「角兵衛獅子」発祥の地として知られる同地区で、「マスヤ製菓」さんは「梨ようかん」を50年以上前から作っておられます。明治6年に創業、9代目店主の関根健一さんは、西蒲原支部長として組合活動にも熱心に取り組んでおられます。

 梨ようかんには、当初「新興梨」などの赤梨を使用していましたが、類産梨の存在を知った店主が羊羹に適したジャムにするため、2年間の試行錯誤の末、現在の梨ようかんを完成させたものです。類産梨は酸味が強いため、ジャム状にして冷蔵庫で熟成させ、白餡をベースに寒天や蜂蜜を加えて固めて出来上がり。梨の風味を残すため、果肉を少し残した状態でジャムを仕上げるとのこと。琥珀色の美しい色彩と梨のシャリシャリ感が何ともいえず、白餡との絶妙な味のハーモニーが楽しめる羊羹で、熱いお茶が恋しくなるこれからの季節には、ピッタリのお茶受けとなりそうです。

 店内には、廃線となった地元電鉄の黄色の電車にちなんだ「かぼでんサブレ」もあり、関根さんは「地元に密着したお菓子をこれからも作っていきたい」と控えめながらお話しされ、地域をこよなく愛していればこその、お菓子作りにかける熱い思いが感じられました。

 お口にすると、百歳まで生きられるような縁起のよいお菓子を召し上がってみませんか!

 新潟県菓子工業組合専務理事・蒲沢百合子