各地の菓子店探訪,愛知県菓子店

2014.07.23

御菓子所 松河屋老舗

尾張藩・徳川宗春公を愛し続ける名古屋

芸どころ 「尾張名古屋は芸どころ」「尾張名古屋は城でもつ」との言葉があります。これは尾張藩七代当主徳川宗春公の時代に、尾張名古屋に文化芸術が隆盛していた頃からの言われです。

 宗春公は尾張の祭りも盛んにして町人の楽しみも創出し、自らも派手な衣装で白牛にまたがり名古屋市中を練り歩いたといわれています。文化振興に力をそそいだ宗春公は、今でも名古屋の人々から愛されています。また、当時の八代将軍徳川吉宗が進めた「幕府の倹約政策」に、自由経済理論で立ち向かったのは、江戸時代の藩主では尾張藩の宗春公だけで、この結果、前時代の倹約令で停滞していた名古屋の町は活気を得て、その繁栄ぶりは「名古屋の繁華に京(興)がさめた」とまで言われました。

 時の将軍吉宗は、使者を介して「尾張ならともかく江戸においても遊興にふけっている」「嫡子の初節句の折、江戸藩邸に町人たちを呼び入れ、尾張家が家康公から拝領した幟まで飾った」「倹約令を守っていない」と詰問、これに対し宗春公は「他の大名のように国元で遊興にふけり、江戸では倹約するという表裏ある行動は取れない。第一、領民に迷惑をかけていない」「初節句の時、江戸藩邸に町人たちを呼び入れ、藩祖が家康公から拝領した幟まで飾ったのがけしからぬと言われるが、そのような禁令はいつ出たのか」「お上は倹約令を守っていないと言われるが、私なりに倹約に努めているつもりだ。お上は倹約の根本をご存じないので、おわかりにならないのだろう」と一歩も引かず反論したといわれているほどです。

 そんな歴史ある名古屋のまちで長年愛されている老舗が、創業文久二年(西暦1862年)「御菓子所松河屋老舗」です。代表取締役社長の西野嘉高さんは大学卒業後、大阪の名門和菓子屋「大阪高麗橋菊屋」で5年間の修行後、名古屋に戻りました。現在、名古屋市をはじめ中部圏を中心に10府県で約300店舗を展開しています。

 看板商品は、極撰うるち米の皮に大納言小豆のまろやかな風味の最中と香ぐわしく上品に仕上げた焼菓子の詰合の登録銘菓「芸どころ」。また、「城でもつ」と言われた天下の名城名古屋城からイメージした登録銘菓「天守閣」は「葵の御紋」を型どった優雅な味覚の乳菓です。これらを筆頭とする進物菓子や季節の和生菓子を展開中です。

 西野さんの企業理念は、私達は和菓子という日本の大事な伝統文化を継承・伝承し、日本の四季と自然の美しさをもとにした、和菓子のおいしさと楽しさを創造して人々の豊かな暮らしに貢献する、という崇高な理念で、さらに、「お客様、取引先様、従業員とその家族、そして地域から褒められ、必要とされ、愛される会社になる」というVISIONを社員と共有を深めながら、地域の祭りへの出店や店舗にての和菓子教室などを行い、積極的に地域のお客様とのより良い関係を深め、和菓子の素晴らしさとおいしさと楽しさを伝え続けています。「尾張」の西野嘉高さん。中部ブロックにはなくてはならない人物であると再確認した今回の取材でした。

 中部ブロック長・那谷忠之

店舗データ

西野嘉高さん御菓子処 松河屋老舗
愛知県名古屋市中区栄4-9-27(本社)
052-262-0201(代表)
0120-758-830(フリーダイヤル)