和菓子

2014.07.08

カステラ饅頭

カステラ饅頭中餡をしっとりさせることが第一【カステラ饅頭編】

 日本の四季にはそれぞれに風情があり、この風情を生かした和菓子があります。この和菓子は幼い思い出から大人になっても、心のふるさととして息づいています。和菓子を時代に即した商品に育てるため、今一度掘り下げて考えてみました。

 カステラ饅頭は江戸時代初期に作られたお菓子で表面はカステラのように焼き色あって、中はカステラのようなサクサクした餡で貴重品として大名や公家で扱われていた。時代が明治、大正、昭和と進むにつれて庶民でもカステラ饅頭が賞味出来る時代となった。

 終戦後、原料不足で一事粗悪な製品も出回ったが、昭和40年以後はおみやげ品の横綱まで登り上がり、どの観光地でも見受けることができた。ところが当時は中餡に、酸糖化水飴をドッサリ使用してちまたでは「和菓子は甘い」「太る程甘い」などとささやかれた。そこで和菓子屋は競争して中餡の糖度を下げた。

 その結果、カステラ饅頭の中餡は配糖率60度までさがり、餡は縮み、焼き上げた饅頭を振ると「ころころ」音がするようになった。饅頭を割ると中餡はさらさらで食べてもおいしさがなく、また、卵黄を多く使用すると高級な製品になると勘違いした製造者も現れ、一層ぱさぱさになった。お客様も離れていった。

 美味しいカステラ饅頭作りの第一には、中餡をしっとりさせることであり、配当率72以上でなければならない。また、水飴は一割以内に落とし、または、異性果糖で乾きを押さえた、しっとりした中餡でなければならない。今回は生地にバターを加えて風味に優れ、しっとりと戻るカステラ饅頭を提案します。

●配合

上白糖 ……………………… 90g
バター ……………………… 54g
白並餡 ……………………… 90g
酵素糖化水飴 ……………… 20g
液卵 ………………………… 90g
重曹…………………………… 5g
アイスクリームミックス … 54g
国内産薄力粉………………270g

・中餡
白生餡…………………… 1000g
グラニュー糖………………600g
ハローテックス……………150g
卵黄…………………………… 4個

●生地仕込み

①上白糖、バター、白並餡、水飴、液卵を軽く混ぜ合わせる。

②湯煎で40度位温める。

③重曹を加えて、水に浮かべて冷ます。

④完全に冷めてからアイスクリームミックスと薄力粉を混ぜて加え、ヘラでこねる。

⑤30分位寝かして落ち着いてから薄力粉の手粉で。

⑥中餡25gを包んで丸腰高に整える。

⑦丸木型やカップに晒し、布巾を張って包上げた饅頭の表面を押さえて、丸みを整える。

⑧水霧をたっぷり掛けて、上火190度 下火160度のオーブン下段に入れて、15分位で焼き上げる。

⑨焼き上げ後、荒熱を抜いて個装する。

⑩木製の番中に入れて、晩ねかす。

重曹は水で溶けない

*脱酸素等を使用する場合は個装をしてから行い、包装資材も専用の材質を使用しなければならない。

*個装をして冷凍する場合は防湿セロハンなどの材質を選ばなければならない。

*生地の砂糖量や、卵は定量がありあまり、変更すると焼けにくくなったり、生地の硬さが変わり作業性が悪くなる。

*製品の戻りは重曹が良いが斑点(薬ぶし)がでやすいので、蜜が熱いうちにそのまま加える。一般に水で溶かして加えると言われているが、重曹は水では溶けない。

*斑点は焼き戻りすると少なくなる。

*水飴は多量に加えると焼面に火ぶくれが出来る。

*生地に少量のバターを加えると作業性がよくなり、手粉の使用料が少なくてすむ。

*夏場は生地に仕込む薄力粉を、ビニール袋に詰めて冷凍庫で冷やして使用する。

*生地や中餡に香り付けにオイルや粉末香料などを使用する場合は、焼き上げて三日以上経過してから味見をすること。焼きたては香りが出ない。

専修学校 日本菓子専門学校 鎌田克幸 氏
和菓子講習より