和菓子

2014.07.08

花びら餅

花びら餅本来は糀味噌を用いる【花びら餅編】

 日本の四季にはそれぞれに風情がありこの風情を生かした和菓子があります。この和菓子は幼い思い出から大人になっても心のふるさととして息づいています。和菓子を時代に即した商品に育てるため今一度掘り下げて考えてみました。

 宮中では正月に「菱はなびらもち」が用いられているが、これは平安時代の「歯固めの儀式」(長寿を願って猪、大根、押鮎などを食べる儀式)を簡素化したものと考えられる、75gの白餅を直径15㎝の丸に延ばし小豆のしぶで染めた菱餅を前日に仕込む。これを一月一日の朝、焼き色を付けないように焼いて、甘煮のゴボウに甘味噌を添えて、和紙で包んで新年の儀式に用いられている。ゴボウは押鮎を表し、餅と味噌は雑煮の意味が込められている。「花びら餅」は明治時代に入って裏千家が初釜に用いる事を宮中から許された。正月のお菓子として一般に用いられるようになったのは戦後である。最近の花びら餅は、梅の花に雪がかぶりごぼうは梅の枝を表すとされている。関西では外郎生地が多く見受けられ、関東では牛皮生地が多いように思う。また、牛皮に卵白を加えた「半雪平」も売り出されている。正月のお菓子としてより多く売り上げるには、多くの和菓子店が競って美味しいお菓子に仕上げなければならない。関東ではみそ汁用の赤みそを用いた味噌餡が多い、みそ汁用の味噌は塩味が強く「塩味餡と勘違い」される傾向にある。本来は糀味噌(料理味噌)を用いるが関東ではあまり好まれない傾向にあり、本来の味作りも和菓子屋の使命ではないかと考える。また、糀味噌は焦げやすいので、練り上がり際に加えて、弱火で熱を入れないと生味噌の味がして美味しくない。糀味噌はよく熱を入れるとまろやかな甘味が生まれる。ゴボウは皮をむき寸法に切り水晒しをして煮込み、蜜漬けをしてから2本又は4本に切り分けるとよい。牛皮は白玉粉より羽二重粉(水挽き餅粉)の方が白く上がり餅の味も良い。練り方には水練りやゆで練りもあるが、蒸し練りの方がよく熱が入りこしも強く感じられる。最近では和紙の包み紙や名前入りの袋も売り出されており、手軽に製品化が出来る。

●配合(30個分)

羽二重粉……………350g
水イ…………………420g
上白糖………………700g
水ロ ………………… 50g

・中餡
白生餡…………… 1000g
グラニュー糖………800g
水……………………200g
白味噌(京味噌)…300g

●工程

①羽二重粉に水イを加えてホイッパで混ぜる。(粉によっては水をもっと必要の場合もある)

②ぬれ布巾を敷いたセイロに流し入れて20分位蒸す。

③サワリに移して弱火でじっくり練る。(糯粉系は焦げやすいので弱火でゆっくり練る)

④分量の上白糖を四分の一ぐらい加えてよく練り混ぜる。

⑤全体になめらかになったら再度四分の一を加えて練る。

⑥順次練り混ぜながら水ロを加えて硬さの調節をする。

⑦片栗粉の手粉に上げ、荒熱を抜いて23gにちぎり9㎝の5㎝小判形に延ばす。

⑧残りの牛皮に赤色素を加えて淡い赤に染め、12gにちぎって5㎝の3㎝に延ばし、白の上に重ねて押し付け、(12㎝の6㎝)に調節して冷ます。

⑨完全に冷ましてから、手粉を払う

⑩蜜漬けしたゴボウと味噌餡15gを乗せて二つ折りに仕上げる。

・ゴボウの蜜煮

①ゴボウの皮をタワシでこすり落として水晒しをする。

②9㎝の長さに切って水煮をする。途中4、5回水を取り替えながら軟らかく煮込む。

③別鍋に糖度50度の蜜を作り煮上げたゴボウを加えて弱火で一時間位煮込み、一晩ねかす。

④再度加熱して沸騰直前にゴボウを上げ、蜜の糖度を60度にして寝かす。

⑤再度蜜を65度に上げてゴボウを入れ沸騰直前に蜜を切る。

⑥蜜切りして、乾かした上白糖をまぶす。
*最近は砂糖をまぶさない製品もある。
*グラニュー糖をまぶすのが一般的だが上白糖は歯触りが軟らかい。
*上白糖は60℃位のオーブンで乾かして使用するとサラサラして扱いやすい。

専修学校 日本菓子専門学校 鎌田克幸 氏
和菓子講習より