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お年寄りに安全な和菓子を

高齢化社会における和菓子のあり方

桜あわせ餅と豆乳羹 去る3月14日、京都各地の老人保険施設にて、京滋摂食・嚥下を考える会と京都府生菓子協同組合による合同企画が開催された。

 それは老健施設に居られる嚥下咀咽が難しいお年寄りの方々に安全な和菓子を召し上がって頂くというもので、和菓子での企画としては一年前から計画されていたものである。状態によっては「水すら飲む事すら難しい」とされる人々に「形のある食事」を提供するという事は、粘りや食感(のどごしなど)が身上の和生菓子にとっては想像以上に困難だったのだが、三つの品目が見事に合格となり、京都各地にある老健施設において高齢者の方々にお届けする運びとなった。

 このプロジェクトは、各地の施設からの好評をいただいた。

 今まで長い間にわたってお茶の間に日本の味を提供してきた和生菓子製造業と、老健施設の中で流動食メインの生活を送っても、やはりこれまでの味が少しでも楽しみたいお年寄りの方々との思いがかみ合ってこの成功につながったと言えるのだろう。

 この事は、高齢化が進む日本社会における和生菓子のあり方に一つの道筋を示す事が出来たのではないだろうか。

 京都府菓子工業組合・小東武史

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