山口県菓子店

2014.05.15

文久創業 亀の甲せんべい老舗 江戸金

亀の甲せんべい 今回訪れたのは山口県の西部の中核市、下関市です。下関市は関門海峡を挟んで九州と対峙する位置にあることから、古くより陸や海における交通の要地でありました。歴史でいえば、壇ノ浦の合戦、巌流島の戦いが有名かと思います。

 その下関で幕末から今日まで商売を続けている老舗が、株式会社江戸金です。創業は文久2年(1862)です。店舗販売はしておらず、卸業専門で商売を営んでいます。

 今回お話を伺ったのは6代目の藤田敏朗氏です。藤田氏は以前老人福祉関係の仕事をしていましたが、5代目社長の三野明彦氏の姪と結婚したことが縁で江戸金を継ぐこととなりました。入社して10年ですが、江戸金の経営を任されている方です。

 江戸金の社名の由来は創業者の増田多左衛門氏が江戸の生まれで、幼名が金次郎だったため「江戸の金さん」と親しまれ、そのまま店名になったそうです。江戸金の商品は地元のデパート、スーパー、サービスエリアなどに置かれており、観光客の方々が買いやすいように手頃な価格設定にして販売されています。

 江戸金の創業から続く銘菓に「亀の甲せんべい」があります。この菓子の特徴は、絶妙な反りのある形をしており、軽い食感のせんべいで口にふくむとすぐ溶けていき、そして程よい甘さがのこり飽きがこない感じです。創業以来の配合も守り続けており、材料がシンプルな分品質にこだわりをもっているそうです。

 この「亀の甲せんべい」はNHKの大河ドラマ「龍馬伝」にも登場したそうです。そして店の歴史からいえば、下関に長く滞在していた坂本龍馬も食べていたでしょうと藤田氏はうれしそうに語ってくれました。

 この菓子は昔から缶入りで販売していましたが、一時期リサイクルのことを考え紙箱入りに変えたそうです。するとこれがお客様には不評でまた缶入りに戻したということです。やっぱり江戸金の土産物といえば缶入りの「亀の甲せんべい」。このことは江戸金を愛しているお客様に教えられたエピソードだったそうです。また地元の方々には割れてしまったせんべいを格安で販売する日を構えて好評を得ているともおっしゃっていました。

 ほかには下関の名産であるふぐをかわいくデザインしたかすてら饅頭「ふく笑い」、もうひとつの名産ウニを何層にも練り込んだ「うにパイ」など下関への熱い思いをこめて作っている菓子もあります。

 藤田氏は、これからもチャレンジ精神を忘れず、地元の方々へ江戸金を再度知ってもらえるように地元に関した商品作りをすすめつつ、創業からの「亀の甲せんべい」をお客様が安心して親から子へ、そして子から孫へと受け継がれていける菓子としてつくり続けると話してくれました。これからも日々努力を忘れず地元下関に根付いてがんばっていただきたいと思います。

 中・四国ブロック長・高橋宏暢

店舗データ

藤田敏朗氏株式会社 江戸金
山口県下関市卸新町7-3
TEL:083(223)0391
FAX:083(223)0707