視点

全菓連に「さようなら」するにあたり 皆様へ感佩(カンパイ)の念をささげます(平成26年5月)

皆様既にご承知の通りこの四月二十九日の春の叙勲で、お蔭をもちまして私が旭日中綬章という身に余る立派な勲章を拝受することが出来ました。この度の栄誉は偏に長年に亘る皆様からのご支援があってのことと、衷心より感謝申し上げる次第であります。誠にありがとうございました。

つきましてはこの叙勲を花道とし、来る五月二十七日開催の通常総会終了時を以て退任するべく三役会・理事会にお図りしたところ、後任に長野県菓子工業組合理事長で現在全国菓子工業組合の副理事長をお務めいただいております大窪幹夫様が満場一致で決定され、私の退任も希望通りご承認いただきました。本当にありがとうございました。

顧みますれば平成四年六月十二日、大阪府菓子工業組合前理事長の西川文人氏に代わり、全菓連理事としては初めて全菓連にうかがいましたが、それ以前にも二代目加藤金之助理事長の命で何度も全菓連を訪れており、千田さんをはじめ幾人かの幹部・事務局の方とは既に面識がありました。その後、理事を七年、副理事長を一期二年務め、平成十三年五月十八日全菓連理事長・全菓連共済ビルヂング社長に就任させていただきました。三代目鶴木理事長から古谷理事長に交替されましたが、以前から積み残されていた課題もありましたので、私が就任するや「信頼される全菓連」をスローガンに掲げました。毎月発行の菓子工業新聞を揮毫し、一面にスローガンをかかげ、二年ごとに「信頼できる全菓連」、「信頼重ねる全菓連」、「信頼しあう全菓連」、「信頼回復の全菓連」、「信頼拡げる全菓連」、「信頼に応える全菓連」と七期にわたり内外ともにPRし、組合員の皆様から愛される全菓連になるよう努力いたしました。対外的には全菓連は大手菓子企業から中小零細まで網羅している全日本菓子協会とは一線を画すべきで、一緒にはなれないと入会を拒んでいたのでしたが、仲よく一緒になることが業界発展の礎となると信じ、全菓連三役全員を全日本菓子協会の役員に迎えていただき入会いたしました。理事長に就任して一年後の平成十四年六月十四日のことでした。しかしながら元全菓連の一役員から大変なお叱りを頂戴したことは、今も忘れる事が出来ません。

全国菓子大博覧会の九州in熊本と姫路では千宗室様とともに特別顧問に就任、熊本では名誉総裁寛仁親王・同妃殿下・彬子女王殿下のお三方ご光臨賜りましたが、姫路では寛仁親王殿下のご病状が芳しくなく拝顔出来ず、私が大会長となった昨年の広島では寛仁親王殿下が薨去され、その第一子彬子女王殿下を名誉総裁にお迎えしました。入場者は姫路の九十二万人には及びませんでしたが八十万七千人を数え、熊本の五十六万人より五割増の盛況となりました。姫路博から全菓連で独自の表彰を新設したいと、東京芸術大学宮田亮平学長を審査長とし池田政治芸術学部長に表彰状とメダル及び全菓連の徽章もデザインしていただき、北川修久講師(高知大学教授)揮毫の表彰状を透かし入りで作成、メダルは大阪造幣局の純銀製で好評を博しました。

日本菓子専門学校の理事・評議員には平成十年十一月九日全菓連から久方ぶりに就任、菓子工業新聞の紙面も多色刷にし、全組合員に配布購読していただくようにしてまいりました。

事務局も専務理事は増田さん・矢部さん・山本さんとお三人が順次入れ替り、理事になられた千田さんには大変お世話になりました。顧問は最初に加藤紘一先生、その後、安倍晋三先生にお引きうけいただきました。首相ご就任後は顧問を離れられましたが昨年の新年会には首相としてお顔を出していただき、祝辞を頂戴しましたことは大平首相以来のことで大変感銘を深くいたしました。

また、従前は全菓連としては理事長のみしか叙勲の申請が出来ませんでしたが副理事長も受付けてもらえるようにし、愛媛の伊狩さん、長野の大窪さんにも受章していただくルートを作り上げました。

ビルの方は玄関入口・階段まわり・エレベーターホールを白色に改装し、東日本大震災後耐震工事を実施、且施工業者である竹中工務店の作業事務所を二階に入居していただき、耐震ビルとしてテナントの皆様が安心できる環境づくりをいたしました。

このように数えればきりがなく、思い出は走馬燈の如くかけめぐりますが、悔いのない理事長・社長時代を十三年過ごさせていただき只々感謝の念で一杯であります。ありがとうございました。

今後、終戦直後進駐してきたアメリカのマッカーサー元帥が愛唱していた
Youth is not a time of life , it is a state of mind
で始まる「青春の詩」を私も口ずさみながら、天より与えられた時を元気に「青春」で送りたいと存じますので、どうか皆々様の旧に倍するご厚情を切にお願い申し上げ、退任のご挨拶とさせていただきます。

幾重にも感謝の念で一杯であり、感佩にむせんでおります。本当に長い間ありがとうございました。

 全国菓子工業組合連合会理事長・岡本楢雄

※感佩・かたじけなく心に感ずること。深く感じて忘れないこと。