愛知県菓子店

2014.02.15

㈾浅野製菓(名古屋市中村区)

手芸キャンデー

手芸キャンデー 大手小売業への販路の寡占化や後継者難、製造設備の老朽化など厳しい業界環境が続く中、自らの企業規模や製品特性等を熟慮して新たな販売先や製品の差別化を図って盛業を極めているのが、手作りの手芸キャンデーメーカー㈾浅野製菓(浅野和彦社長・本社=名古屋市中村区)さんです。

 同社の主製品は、手作りの手芸キャンデー(俗に言われる〝金太郎飴〟)で、直径20㍉×厚み10㍉の飴を1個1個をピロー個包装したタイプから、直径35㍉~55㍉の棒付きタイプまで様々な形態があります。

浅野和彦社長 これまで同社の主販路は一般流通~土産物ルートでしたが、数ある菓子製品の中でキャンデーはどちらかと言うと差別化が図りつらくややもすると〝㎏あたり幾ら…〟の商売になりがちでした。ところが同社の作る手作りの手芸キャンデーは、絵柄を飴で作り込むという手間仕事で、オマケに1日に生産できる数量は20㎏釜で10釜が目一杯と言う状況で、〝生産効率が良い…〟とはお世辞にも言えない状況。加えて、精魂込めて作り上げた商品が、一般流通に乗せる為には厳しい価格競争に勝ち残らねばならないのも現実となっていました。

 そこへ、第一の大きな転機が訪れました。ウィンドウズ95のヒットです。これを切っ掛けに一般へのパソコン普及は一気に加速し、インターネットHPなどの情報発信も手軽に行えるようになりました。

 今でこそ〝楽天〟に代表されるウェブビジネスは急成長し、多くの企業がインターネットを通じた直販事業を展開していますが、当時は自前のHPを展開している企業もまばらで、管理の手間や代金決済の部分でも色々な問題がありました。

 HP専門のデザイナーも無く、素人が作るページは、何とも心細いものでしたが、その反面これまで閉鎖的だった菓子業界の情報を満載したHPは、一般の消費者から結構な反響を呼び、中でも「世界にただ一つだけ、貴方だけのオリジナルキャンデーを作ります…」をキャッチコピーとした同社の試みは、商品の完成度の高さから徐々に広がりを見せHP開設から3年ほどでリピーターを有するにまで拡大しました。

 しかし「仕事の傍ら自前でHPの管理・運営をするには無理がある…」と考えた浅野氏は、このノウハウを旧知の菓子卸商社の若社長に相談し、HPの運営と商談~代金決済を卸商さんに委ね、自らは製造に徹する事とし、現在の様な独自ページでのウェブビジネスを展開するようになりました。

 また、情報発信と言う面では「後継者の育成」を目的に、HPで若手飴職人の募集を告知した所、全国から多くの問合せもあって、今までに4人の若者を採用、その中の1人は3年間の修行を終えて東京・浅草の遊園地〝花やしき〟そばで独立開業したお弟子さんも見えます。

 このビジネスモデルは、現在月に100件を優に越える注文が舞い込むようになり、同社の柱的な存在となって今では流通~ウェブとバランスの取れた事業形態となっています。

 愛知県菓子工業組合事務局