各地の菓子店探訪,滋賀県菓子店

2013.12.18

湖西の銘店 とも栄菓舗

常に努力を怠らない志

デトロイトで行った和菓子の実演 背後に緑深い比良山系、目の前に雄大な琵琶湖を望む、西近江・安曇川。我が国の陽明学の始祖、近江聖人・中江藤樹の生誕の地でもある、この四季の彩り豊かなこの地に昭和7年創業の「とも栄菓舗」を訪ねました。3代目当主で滋賀県菓子工業組合青年部OBの西沢勝治さんは京都の老舗で5年間の修業後、家業を継承されました。藤樹街道本店は、おいしいお菓子を求めるお客様でいっぱいです。

 滋賀県無形文化財・名筆「雲平筆」を作る15世筆師藤野雲平氏の名を冠した「雲平さん」は栗入りの粒あん、濡れ小豆を散らした抹茶あんの2種類のどら焼き。中江藤樹の教え、「致良知」から名付けられた「良知まんじゅう」は、刻み栗を混ぜた白あんのお饅頭。湖西の名物の「でっち羊羹」から、洋生菓子まで品揃えも豊富です。特に目を引くのが、地元安曇川で栽培されるボイズンベリー「アドベリー」を使ったお菓子です。アドベリーの酸味とブルターニュ産クリームチーズが濃厚な味を醸し出す、「あどがわチーズケーキ」やアドベリーの果汁を練りこんだ「アドベリー餅」、アントシアニンがぎっしり詰まったゼリーとヨーグルトムースのデザート「あど果むぅす」など個性的なお菓子が並びます。

 とも栄藤樹街道本店の店内広島菓子博では単店で、「工芸菓子」を出展され、技術の研鑽にも怠りはなく、年のうち繁忙期を除く10ヶ月くらいは「工芸菓子」の制作にあたられているそうです。地元のお客様に満足していただくために常に努力を怠らない、そんな志が伝わってきます。

 また、その一方で、滋賀県がアメリカ・ミシガン州と姉妹都市の関係から、4年前にはご夫婦でデトロイトにて和菓子の実演をされるなどインターナショナルな活動もされている。来年はダラスで実演の予定があるそうだ。ヘルシーな日本のお菓子の良さと技術を海外に伝えたいという思いから、現在でも、アメリカにお菓子を輸出されているとのことです。

 滋賀県は近畿のベッドタウンとして人口が増加しているが、ここ高島市だけは、交通の不便さがあり人口が減少しているそうです。そういう意味では他の地方都市と同じ問題を抱えているが、常に努力を怠らず、地元のお客様を大切にしながら、新しいことにも挑戦していく当主ご夫婦の思いが商売繁盛につながっていると思いました。

 「これからは、従業員からいろんな積極的な意見が出るような、また、とも栄で働いて幸福だと思ってもらえるようなお店にしたい。」と従業員満足にも目を向けられる。

 数年後には現在東京で修業中の4代目のご子息が帰ってこられるそうで、益々のご発展されることを祈念いたします。(もちろん、その時には滋賀菓子工青年部にご入部をお約束いただきました。拝)

 近畿ブロック長・中島慎介

 

店舗データ

西近江湖風菓「とも栄」3代目当主の西沢勝治さん
-藤樹街道本店-
滋賀県高島市安曇川町西万木211-1
電  話‥0740-32-0842
F?A?X‥0740-32-0873
営業時間‥9:00~19:30(元日のみ休業)
ホームページ‥http://www.sweet-tomoe.com