佐賀県菓子店

2013.10.15

八頭司伝吉本舗

「未来につなぐ小城羊羹」

八頭司伝吉本舗 江戸時代、日本で唯一海外との交易を許されていた長崎から福岡・小倉を結ぶ長崎街道は、舶来品であった砂糖や砂糖をたくさん使用したお菓子の文化が伝わった道として、近年では「シュガーロード」と呼ばれている。沿道の地域では様々な名物菓子が生まれ、現在も銘菓として作り続けられている。佐賀県・小城市はシュガーロードのほぼ真ん中に位置し、小城羊羹がつとに有名である。今回はその小城の街で佐賀菓業青年会の県連会長をつとめている八頭司 勲さんの八頭司伝吉本舗を訪ねてみた。八頭司伝吉本舗の本店はJR小城駅から北へ延びる小城町通りを歩いて3分程の所にある。ことさら商店が立ち並んでいる通りというわけでもないのだが、さすが羊羹の街・小城であるその道程では、いくつもの小城羊羹の看板が目立っていた。小城町通り周辺には20軒以上もの小城羊羹のお店があるのだそうだ。

 八頭司伝吉本舗は大正10年創業で、表面に砂糖の結晶が出来る昔ながらの切り羊羹を優しく耳に響くように「昔ようかん」と名付けたお店である。勲さんは現在三代目伝吉である父の博社長のもと、専務として4つの直営店を行き来しながら、将来の4代目伝吉になるべく日々小城羊羹の未来を考え頑張っておられる。

小城羊羹 早速、小城羊羹について話を聞いてみた。小城羊羹の名称は、現在20数軒で構成する小城羊羹協同組合によって商標登録され、組合員の各店で小城羊羹が販売されている。小城での羊羹の製造は明治初期頃に始まったとされ、佐賀の秀峰・天山からの伏流水を水系とする名水で作られる羊羹、そして小城公園の桜をイメージした桜羊羹はまたたく間に評判となり、勲さん曰く「小城の人の気質はとても我慢強くて、コツコツと羊羹を練り上げる作業にとても向いていたらしい。」ということもあり、小城の各所で羊羹作りが盛んになったのだという。

 その後、小城羊羹は軍隊付属酒保用品として国内はもとより世界各地にその名をはせることになった。実は佐賀県民の一人当たりの羊羹消費量は毎年トップ争いするほどの羊羹県であり、その佐賀県の羊羹消費を支えているのが小城羊羹といえる。歴史的に、表面に砂糖の結晶が出来る切り羊羹だけでなく、近代的なガゼット袋に流した流し羊羹も含めて小城羊羹に取り入れるなど、いち早く新しい技術を導入して時代のニーズをつかんできたことが、今日の銘菓小城羊羹というブランドを築き上げるに至ったのではないだろうか。勲さん曰く「小城の人は小城羊羹を使っておけば間違いないと言われるほど進物用として皆さまから喜ばれているが、当店ではもっと日常手軽に小城羊羹を食べていただけないだろうかという想いで、昔ようかんをひとくちサイズにして1個ずつ飴玉のようにセロハンで巻いた商品も開発し、ここ数年、お年寄りから小さなお子様までとても喜ばれている。子供達に伝えていきたい黒棒や逸口香など昔からある佐賀のお菓子を集めた詰め合わせにも力を入れている。もっと商品の包装や規格を見直し、羊羹を使用した新しい商品も開発しながら組合の皆さんと共に小城羊羹のブランド力を今後一層高めていきたい。」と力強く笑顔で抱負を語ってくれた。

 九州ブロック長・田中耕太郎

店舗データ

㈲八頭司伝吉本舗
本店住所
〒845-0001 佐賀県小城市小城町152-17
電 話:0952-73-2355
FAX:0952-73-3155
インターネット ホームページ
http://www.yatoji.co.jp