山口県レポート

2013.09.15

11年目のもち米供給契約

山口宇部農業協同組合と

 猛暑が続くと水不足が心配され、これからは台風情報から目が離せなくなります。農業者は我々以上に天候に神経を尖らせていることでしょうが、食とのビジネス連携の可能性は無限大。このほど山口県菓子工業組合は山口宇部農業協同組合(JA山口宇部)と11年目のもち米供給契約を結びました。今年度は2238俵、30㎏当たりミヤタマモチ7100円(価格)26ha(栽培面積)、ヒヨクモチ7550円6・5ha(いずれも税・配送料・組合手数料別途)です。今年度、契約数量が大きく伸びることはありませんでした。

 「売れる農産物作りを目指す生産農家と地産地消により食の安全性を求める菓子組合」という対外的には一般的なキャッチフレーズを掲げていますが、組合員には天候不順のリスクなく低価格で安定した品質の山口県産もち米を提供でき、さらに組合に手数料収入が入るという仕組みです。

 もち米を栽培する山陽小野田市南高泊地区は昭和36年に完成した瀬戸内海に面する干拓地で、組合を設立し個人の農業経営と干拓組合全体での事業を連動させる経営形態です。現在は8戸がもち米の生産を担い、各袋に生産者の氏名が記載されています。毎年、10月に組合立会のうえ全俵抜き取りによる品質検査を実施したのち組合員の手元に渡ります。あいにく再三の申入れにも係らず品質改善されなかった1戸は今年度より生産者から外れました。それくらいの厳しさをもって生産者の代表を担う伊藤仁さん(写真左端=調印式後の現地視察)は農業のスペシャリスト。お人柄も伴い地域の信頼が厚く熱心で頼もしい方で、後継者である息子さん夫婦と共に家族経営協定を結び、もち米の他にも酒米、大豆、小麦、ネギなども作られます。このように生産者と菓子組合、JA山口宇部との三位一体の信頼関係は11年の年月を経て強固に結ばれています。

 ありがたいことに生産地の山陽小野田市では、もち米が特産品に育ちました。10月下旬には「日本一の絆もちまき」が開催されます。もちまきと言って紅白餅を祝事にまくのは山口県では当然ですが、これについては地域性がある模様。おっと、話が我が町のPRにそれてしまいました。ようこそ山陽小野田市へ。

 このように生産者にとっても組合にとってもいいことだらけのもち米契約栽培システムを築いた先輩方に感謝しながら、酷暑を乗り越え順調に生育する稲穂を眺めています(当店より車3分)。ただし、貴重な収入源であるゆえ組合事務局の仕事に占めるウエイトの高さもお察しいただき、ここに記せない?課題も含めてご興味のある方は遠慮なく相談下さい。

 山口県菓子工業組合専務理事・恒松恵子