徳島県レポート

2013.08.15

「阿波ういろ」

ブランド化の推進

阿波ういろ 組合では、県内で古くより根強い人気を誇る和菓子・ういろうの全国発信に乗り出す。ういろうは、徳島で古くから節句などのおめでたい時に家庭で作られてきた伝統のお菓子で、名古屋や山口と並び「日本三大ういろう」の一つとも称されている。

 江戸時代の寛政年間に、阿波之国で阿波和三盆糖が作られるようになり、そのお祝いとして、旧暦3月3日の節句に、藩主をはじめ領民一同が食べたのが始まりと言われている。

 徳島のういろうは、各店によって細かなレシピは異なるが、米粉、もち粉、砂糖をベースに、小豆をふんだんに使い、豊かな風味をかもし出しているのが共通の特色。小豆の豊かな香りともっちりとした食感は、他の地域のういろうにはない持ち味である。

 徳島には古くより「遊山文化」と称される文化がある。小さな子供が遊山箱と呼ばれる重箱に食べ物を詰めて、桜の季節や秋口の紅葉の美しい季節に野山を遊び歩く、現代で言えばピクニックである。徳島のういろうは、その遊山箱に巻きずしや煮しめなどとともに詰められてきたお菓子である。子供たちが近所の家々を周り、遊山箱いっぱいにお菓子を詰めて遊びに出掛ける文化が根付いてきた。現在でも、多くの県内和菓子店が看板商品として製造・販売しているのも、こうした背景があってのことだ。

 徳島県では、「すだち」や「なると金時」のような一次産品のブランド品は多く見かけるが、加工食品分野においては、地域のブランド商品と呼べるものがない。徳島のういろうは、その現状を打破できるだけの魅力・ストーリー性を備えた、今後の展開が楽しみな逸品である。ブランド名は、名古屋名物の「ういろう」との差別化を図るため、音感のいい「阿波ういろ」で統一。新たに「阿波ういろの日」を制定して浸透を図る一方、県内にとどまらず、各県での百貨店催事への出展などを通じ、全国的な販路拡大を図ることとしている。

 2011年に青年部の創立50周年記念事業としてスタートした阿波ういろのブランド化は、今後の更なる事業展開により組合活動の活性化にも大きく寄与するものと期待している。

 徳島県菓子工業組合事務局・浦西美智子