鳥取県レポート

2013.02.15

飯酒と豆腐竹輪

地域おこしとアイデンティティ確立

とうふちくわ 人気漫画、「夏子の酒」に登場する醸造家のモデルは鳥取大学の教授だった人。世界に誇るべき醸造技術が鳥取にある。だから、いい酒がたくさん生まれる。だが、そのことを鳥取県民が知らない。県民が知らなくて県外の人が知るはずがない。鳥取が酒の名産地であることを世にしらしめよう。そのために「鳥取飯酒」という酔狂な団体が生まれた。正式名称は鳥取美酒応援団「鳥取飯酒」(とっとりはんしゅ)。「はんしゅ」だから会長は大名なのである。事務局長は家老。事務局員は姫。足軽などと勝手に名乗っている。毎月第三金曜日に定例会。毎回必ず地酒を飲む。「参勤交代」ならぬ三金交代だ。そして寺子屋と称して酒の勉強をする。鳥取の酒の素晴らしさを全国に、そして世界に発信する。

 もう一つ鳥取にはユニークなグループがある。その名も「とー総研」。全国で鳥取だけにある、豆腐でつくった竹輪を全国に発信しようという活動だ。「とー総研」の会員は、「こんに、とうふちくわ」(こんにちは)。「ありが、とうふちくわ」(ありがとう)などと必ず挨拶のなかに「とうふちくわ」を入れる。

 豆腐竹輪に穴を開けてフルートにする。これをトーフルートという。これがまた見事な音色を奏でるのだが、曲が終わると奏者がそれを食べてしまう。鳥取には、この他にもオンリーワンの特産品がたくさんある。それをどんどん全国にアピールしていきたい。それはじげ(地域)おこしのためだけではなく、鳥取のアイデンティティを創ることにもなるのだから。

 菓子業界でも、こうした活動ができないかと日々考えている。

 鳥取県菓子工業組合理事長・小谷寛