山口県菓子店

2013.01.15

和菓子から「笑」菓子へ

~「わがし」から「わらかし」へ~

看板を背負っている岩﨑龍司氏 瀬戸内海に面した重化学工業で栄える周南市徳山に店を構えて50余年。パイまんじゅうの元祖で知られる御菓子司水木さんをご紹介します。

 初代岩﨑義人氏がパイまんじゅうを考案したのが創業当時のこと。バターが希少な時代、西洋を取り入れた美味しさが広がるのに時間はかかりませんでした。その後、伝授された小池氏が全国の菓子屋を行脚し製法を広め、パイまんじゅうは誰もが知る時代の寵児となっていきます。

 さて現在、水木の看板を背負っているのが孫の岩﨑龍司氏32歳。18歳で単身大阪から東京へお笑い芸人を目指して修行に入りました。祖父の義人氏は跡を継ぐことに難色を示したものの、御菓子司水木の看板を守るのは自分しかいないと説き伏せ10月に菓子屋のスタートラインに立ちました。

パイまんじゅう 水木のお菓子はほぼ手作りです。丹念にあんを混ぜ、求肥も一つ一つ手で包みます。包装紙も然り。見方を変えれば古いけれど、丁寧にその日の素材の状態を肌で確認して作っていることをきちんとお客様に伝えたいと言います。配達は珍しくないからそれ以上のことを始める、と決意して移動販売車で市内を回り、生菓子の販売だけでなく抹茶の提供をする準備を進めています。

以下、うなずくばかりの龍司氏の言葉から引用します。

 ◆あたりまえのことをあたりまえに行う◆古い文化が押しつけがましくなると呪いになる、古くて新しいものを自分なりに創造する◆正当なやり方でお客様が求めているものに対してイメージと雰囲気を提供する◆商品と一緒に人情を売る◆限られている戦力で菓子屋として戦う◆立ち位置さえわかっていれば乗り越えられる◆冷蔵庫の中に例えばじゃがいもと人参「しか」ないでなく「も」ある、それでうまいものを作るのがプロである◆コンプレックスを武器に変える◆

 言葉の引き出しが深くて広く一つ一つに意味を感じました。

 閉塞感漂う世の中を楽しくおもしろく。祖父の言葉で一番大切にしているもの「辛いんだったら笑って過ごす」を信条に、和菓子の「わ」は笑いの「わ」。お笑い芸人を目指した経歴を謙遜しながらも地域ではひっぱりだこ。水木のお菓子とともに岩﨑龍司氏の名前は山口県から全国へ、日本一おもしろい和菓子屋として名前が轟いていきます。

 山口県菓子工業組合専務理事・恒松恵子

 

店舗データ

御菓子司 水木
岩﨑 龍司 山口県周南市有楽町8
      TEL.0834-21-0786
Facebookページ
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