神奈川県菓子店

2013.01.15

御菓子司 山形屋

朝六時開店、出勤前に買えるお店

「御菓子司 山形屋」2代目梶沼直人さん 相模平野の中央に位置し、相模川右岸の洪積台地と沖積平野を含む広大肥沃な地域にあって、縄文時代前期には人々がすでに定住していたとされています。また江戸時代には、徳川氏の直轄領となり、その後、旗本領、大名領及び幕府直轄領が配され、この江戸時代中ごろ厚木村は、宿場町、産業、生産物の交易の場として発達し、貨物は往来にあふれるほど繁盛を極め、小江戸と呼ばれていた厚木市に「御菓子司 山形屋」2代目梶沼直人さんを訪ねました。

梶沼さんは、製菓学校卒業後東京都荻窪の宝来家さんで5年の修行を積んだ後家業を継ぎ、現在では神奈川県菓子工業組合青年部長として、神奈川県内の菓子業界の発展に尽力されています。

山形屋さんは、父親である勝雄さんが15歳の年から、千葉、四谷、町田のお菓子屋さんで修行を重ね、昭和41年に創業されたお店です。創業当時より朝4時にはお菓子作りをはじめ、地元の皆様に出来立てのお菓子をおもに行商をしながら商売をし、徹夜をしなければ成らないほどの注文がくるような、地元山際地域で最も信頼される菓子舗として発展をされて来ました。

今は2代目の直人さんが中心となり、いまでも頑なに朝4時からお菓子作りを続け、6時にはお店を開店し、北海道産小豆やお母様の生まれ故郷新潟県の魚沼産の小金餅米を使うなど、吟味した材料にこだわりを持って作った当日出来立てのお菓子を朝出勤前に買えるお菓子屋として、地元のお客様の信頼を勝ち得ています。毎日朝早くから家族4人でお菓子作りに励む傍ら、新製品の開発にも熱心に取り組んでいます。

竹炭と山芋の生地で栗入りの胡麻餡を包んだ真っ黒なお菓子、その名も「からすの卵」は、平成20年に開催された全国菓子大博覧会において名誉総裁賞「大会最高賞」を受賞すると共に神奈川県銘菓展菓子コンクールでも数々の賞を受賞し、人気商品に育っているそうです。(からすは、今では嫌われている鳥ですが、古来吉兆を示す鳥として、神武天皇の東征の際には、3本足のカラス「八咫烏(やたがらす)」が松明を掲げ導いたという神話や、日本サッカー協会のシンボルマークにも使われている鳥だそうです。)その他にも全日本カリフォルニアくるみ製菓製パンコンテストで金賞を受賞した「石臼胡桃」やクインビーガーデン メープルスイーツコンテストで銅賞を受賞した「楓香」などが有ります。今開発中のお菓子をお聞きしたところ、地産地消にこだわったお菓子を作り続けたいと、厚木特産のカボスを使ったお菓子を考案中とのことでした。

将来の夢をお聞きしたところ、「自分の納得をしたお菓子を、自分たちの手で直接お客様にお売りしたい、出来立てのお菓子をその日のうちにお客様に買っていただく事にこだわり続けたい、そのためには本店1店舗に力を注いで行きたい。」と返事が返ってきました。

取材中老若男女問わず、お客様がお菓子をお求めに来店される様子を拝見し、お菓子作りはもちろん、ご家族を大切にするお話を聞きながら、なるほど地域の方々に愛されている「山形屋」さんなんだと納得いたしました。

そして、厚木市に無くてはならないお菓子屋としてますます発展することを願っております。

 関東・甲信越ブロック長・吉田勝彦