大阪府菓子店

2012.12.15

與兵衛  桃林堂

コンビニスイーツとの差別化図る

写真① 今回は、河内音頭で有名な大阪府八尾市の銘店「與兵衛 桃林堂」にお邪魔しました。大正14年創業のこのお店は、300年以上前に建てられた木綿問屋の茅葺きの御屋敷をそのまま利用したとても雰囲気のある佇まいです。現店主の板倉晋平さんは創業者板倉益太郎さんから数えて4代目で本年度大阪府生菓子青年クラブの幹事長をお務めです。栗菓子で有名な長野県小布施の竹風堂で修業されました。

 「與兵衛 桃林堂」の代表商品が「桃季」と名付けられた最中です。史記の有名な言葉「桃季言わざれども下自ずから蹊(みち)を成す。」にあやかって名付けられたそうです。備中産の小豆を丁寧に炊き上げ特注の種で包んであります。この最中種は吉本興業のシルクさんのご実家の粕谷さんに特別に作ってもらうそうで、晋平さんのお祖父さんの太郎氏が特にこだわったよく焼きの入ったこがし種です。大変香ばしく食感もよいのですが、割れやすくロスも多くなるのですが、太郎氏はロスの分も原価に入れてくれてよいからと言われたそうです。晋平さんは、赤ちゃんのころはこの最中種をおやつにしていたそうです。その祖父の太郎氏に連れられて、子供の頃よく他のお菓子屋巡りに行ったことが今の自分の菓子屋としての原点であり感性の源であると。

 「コンビニスイーツがおいしくなってきたとよく言われますが、こういう時代だからこそ、和菓子屋として健康食である和菓子の良さをもっと伝えていかなければと考えています。より一層季節感にあふれた商品づくりをしてゆきたいと思います。また、地域密着を心がけ和菓子教室などもやっていきたいですね。」

 晋平さんが幹事長を務める大阪府生菓子青年クラブでは3年前から「和菓子 甲子園」というイベントを企画し、高校生や専門学校生にあたらしい和菓子の企画制作に挑戦してもらうことで、若年層への和菓子への興味の堀おこしを行っている。

 また、毎年和菓子の日(6月16日)には青年クラブを中心に「笑わず餅」を大阪難波神社へ奉納している。これは、仁明天皇が西暦848年蔓延する疫病の退散を祈念し元号を嘉祥に改めたことが起源で、この「嘉祥の祝」は後醍醐天皇の御代から室町時代へと受け継がれ江戸時代には「健康と招福」を願う行事として、この日に嘉定通宝16枚で菓子を求め無言で食べる風習が庶民の間にも広まったものだ。その「嘉祥の祝」を現代によみがえらせたのが和菓子の日であり、この日に和菓子を召し上がっていただき大切な人の健康を祈願していただくことにより和菓子の需要喚起を狙う。

 このような様々な活動が「単にモノを売ることだけでなく、コトを売る」ことに繋がり、コンビニスイーツとの差別化に繋がることを願いたい。

 近畿ブロック長・中島慎介

店舗データ

写真②與兵衛  桃林堂
〒581-0004 大阪府八尾市東本町2-5-1
電話:072-929-3663/FAX:072-929-3665
営業時間:午前9:00~午後6:00/定休日:月曜日