鹿児島県菓子店

2012.10.15

「一菓心極」日々取り組む

アンテレサントミルフィユ

薩摩黒糖黒豆和三盆 今年6月、第58回菓業青年会九州ブロック鹿児島大会では、市内の中心地、天文館通りにて、九州各県の名産品をとりいれた58mのながーい、レインボーロールケーキ作りに挑戦した。九州新幹線全線開通の記念として考えられていた同イベントであったが、震災の影響で中止を余儀なくされた。一年後、「九州は一つ」という思いを新たに、消費者の皆さんにもっと身近に菓子に親しんでもらうため、実施された。参加された方々は見たことのない長い長いロールケーキの制作を楽しみ、それぞれに作ったケーキを堪能していた。私も参加させていただきましたが、みなさんの笑顔が印象的な会でした。今回はその仕掛け人、鹿児島菓青会県連会長松下利文さんの元を訪れた。

 祖父の代から菓業を営む松下家に生まれた利文さん、サッカーに明け暮れた学生時代を過ごし、たまたま教室にあった専門学校の入校案内を読み、「2年勉強すれば誰でも簡単にパティシエになれる!」と、特に熱い思いもなく上京。専門学校時代は、学校が終わるとアルバイト三昧、副業に力をいれすぎて、学校は遅刻の常習犯、おかげでせっかくの内定も取消。その後就職し、洋菓子部門に配属されてからも、自分を過大評価しすぎて上司から、「仕事もできないのに頭でっかちだ!変なプライドはすてたら?どうだ」と言われ、そこから自分の考えが変わったそうだ。思いを新たに東京の洋菓子店で9年間修行、その後実家の洋菓子店に帰り、さらに修行後独立、当初、独り立ちに妻は反対したが、二人三脚で始め現在では、約50人のスタッフとともに、鹿児島市内に2店舗を経営されている。

 鹿児島市下荒田にある、アンテレサントミルフィユにおじゃました。店内にはいると、カラフルで種類豊富なマカロン、多種多様なケーキ、焼菓子、コンフィチュールやパン等、甘い香りに包まれ、どれを見ても目移りしてしまう。特に和三盆を使用したダックワーズ「薩摩黒糖黒豆和三盆」は近年鹿児島空港等で評判のお土産となっている。

スタッフのユニフォーム スタッフのユニフォームには「一菓心極」と文字が入っている。ひとつの菓子に心を込めて、お客様の笑顔のために極める。菓子作りへの情熱が詰まった松下さんの考えられた言葉だ。パティシエ一人一人が「一菓心極」日々取り組むことがお客様に喜んでいただける第一歩といわれた。100年続く和菓子店は数あれど、洋菓子店は数少ない。今から洋菓子店の歴史を作るため、新たな事業展開を考えておられるようだ。

 最後にこれまで一緒に苦労された奥様に一言何かありませんかと質問した。「あなたがいなかったら、ここに自分はいません。ありがとう。」これ以上は恥ずかしいのでやめておきますと恥ずかしそうに言われた。

編集後記 店に忘れた取材道具を、店にひきかえす途中まで、走って届けてくださった松下さん、本当にありがとうございました。

 九州ブロック長・田上啓二

店舗データ

アンテレサントミルフィユアンテレサントミルフィユ
鹿児島市下荒田3丁目5-2
TEL:099-285-7675

アキュラントミルフィユ
鹿児島市中央町1-1
アミュプラザ鹿児島B1F
TEL:099-250-7338