静岡県レポート

2012.07.15

静岡県西部和菓子同業会

既存の組合の枠を超えた若手グループの活動

技術講習会 静岡県菓子工業組合は、沼津市を中心とした東部地区に9、静岡市を中心とした中部地区に11、浜松市を中心とした西部地区に11、全県に31組合、組合員数593名を擁する比較的大きな組合である。

 恐らく全国共通の問題と思われるが、組合員の高齢化や脱会、廃業、後継者問題などを抱え、地域の単位組合に至っては、活動はもとより、組合員間の情報交換すらもかつてのようにはいかないのが現状である。

 一方、全国には青年部活動の盛んな地域もあり、静岡県も中部地区を中心に青年部があるが、西部では若手はほぼ孤立状態にあり、同一組合にあっても顔も見たことがないといった状況だった。

 そこで4年前に、西部地区の洋菓子、製パン、喫茶の組合からなる「渡来食文化研究会」という食際グループから声を掛けられる形で、西部地区の和菓子屋の後継者や若手を中心とした、既存の組合にとらわれないグループ「静岡県西部和菓子同業会」が結成された。

 正式な組合ではないが、当初7名だったメンバーも23名になり、毎年行われる総会では、金融機関の職員や茶道の師範を招いて、マーケティングや茶の湯と和菓子について講演をしてもらったり、顧問をお願いしているメンバーの元工場長による技術講習会や、親会の会合を含めた年4回程度の情報交換会の開催、昨年は岡山への研修旅行を実施し、有名店の店舗見学や材料メーカーの訪問研修などを行っている。

 情報交換会では、メンバー個々の現在の取組みや見聞したことの報告、材料や製法などの情報やこれから販売する新製品に関わる情報など、既存の組合ではなくなってしまった生々しい情報のやり取りが行われ、刺激を受け合い、次の会合でまた鎬を削る。懇親を深めながらも切磋琢磨する場となっている。

 グループとしての規模の拡大は追わず内容の充実を図り、共同企画の開催や地域銘菓の開発など、実現困難ではあるが語られる夢は毎年大きく成長している。

 静岡県菓子工業組合会計理事・富田直満