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岡山県産「備中白小豆」へのこだわり

安定供給とブランド化目指す

備中白小豆 岡山県北部に位置するカルスト台地岡山県新見市石灰岩地帯で石灰は市の主要産業であり、観光地として有名な井倉洞・満奇洞をはじめ数多くの鍾乳洞があります。水はけのよいアルカリ性地質の土壌は小豆の栽培に最適の条件であり、また、朝夕の温度差が大きく最高品質の小豆になります。北海道、丹波、備中は、日本の「小豆」三大産地でありますが、白小豆発祥の地は備中地区と云われています。しかし収穫量が少なく高価で希少となっています。

 せっかくすばらしい自然を有したこの地で和菓子屋を営むのならば、地元の農業振興のためにと平成21年より準備を進め、平成22年より備中白小豆の栽培を始めました。22年産は300㎏を収穫して、平成23年1月に菓子工を通じて「備中白小豆」を使った商品勉強会を開催しました。今後も生産を続けることを話し、協力を求め商品開発を勧めました。23年産も300㎏を収穫しました。

 しかし、問題は選別設備がなく農家の方の手選別という状況、これからも安定して収穫できる体制づくりが課題で今後は地元と連携して選別機を導入し、生産者を増やし収穫量を上げていこうと思います。24年産は500㎏~1tの生産を目標としています。

「備中白小豆」を使った商品勉強会 和菓子屋がそこまでせんでも……と言われながらこだわる訳は、幼少期に母親が一生懸命作った「備中白小豆」を業者に安く買い取られ、あんなに苦労して育てたのにこんなに安いのかと嘆いていたことが心に残り、いつか岡山県産の「備中白小豆」を高品質な商品として生産、供給できるようにしたいという思いを持ち続けておりました。

 当店では、その地元新見産備中白小豆を使い、昔ながらの製法で作った漉し生餡と、時間をかけ糖分を浸透させた白小豆鹿の子豆を使用して、本練り羊羹を仕上げました。今後もご指導頂きながら「備中白小豆」の生産を続けてまいります。

 岡山県菓子工業組合理事・谷森順照

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