福井県菓子店の投稿
御菓子司親玉菓舗
地方都市小規模店として
福井県の県庁所在地福井市。人口約26万人。東に白山連峰を望むこの市の歓楽街である通称「片町」通りに店舗を構えています。
創業は明治18年。初代は元加賀藩士で明治の初め京の菓子店で修行の後各地を放浪。流れ着いたこの地にて商売を始めたと聞いています。現在は両親と妻の四人で営業しています。まだ家督は継いではいませんが、継げば当代で四代目となります。
福井の銘菓といえば「羽二重餅」また、最近ではマスコミ等にもとりあげられ全国区になってきている冬季に食する「水ようかん」等が有名ですが、当店ではこれらの商品は扱っておりません。
当店の主力商品は「六方焼」です。この菓子自体は全国に扱っているお店はあるかと思います。当店では商品名を「碌寳焼」として販売し、外皮はカリッと中はもっちりと半熟に焼き上げ、地元のお客様はもとより県外のお客様にも好評をえております。
また、二番手商品としては「蒸し金つば」がありこちらも固定ファンを軸に人気を博しています。
商品構成といたしましては昔ながらの素朴な菓子が中心ではありますが、先代達が永い時間をかけ時代にあった味に練り上げて来た味は当店独自のものであり、その努力と労力、歴史に感謝しつつ継承、発展していかないとと思っております。
人口減少や高齢化、流通発達やインターネット通販の日常化、大規模小売店やコンビニの参入による価格競争など、どの地方都市でも小規模店舗の生き残りには厳しいものがあると思います。
そのような中、小規模であるからこそ出せるサービスや商品を提示できるかどうかが今後益々重要になってくると思っている次第です。
福井県菓子工業組合会員・西川敏弘