和歌山県菓子店

2012.04.15

和歌山県紀州田辺市「富美堂」

夫婦で守り続けて100年

銘菓「神島の鶴」 明治38年祖父森山幸二氏が紀州田辺市で和菓子の店「富美堂」を創業、2代目光正氏の跡を3代目昌彦氏が100年余りの伝統を受け継いでいる。

 東京経済大学を卒業と同時にこれからは洋菓子の時代が来ると逸早く察知し東京都内の洋菓子店で4年間猛勉強の後、帰郷し父親に和菓子の手ほどきを受け現在に至っている。

 紀伊山地の霊場と参詣道が1999年4月~9月まで南紀熊野体験博が開催されました。

 千年以上続いた失われた伝統のお菓子を再現しようと文献を読み漁り、江戸時代から明治にかけ世界登録遺産で有名な熊野詣の参詣後、かならず田辺の旅(はたご)に着いた人々が餅をついて神仏に供え、同行者や他の旅人にふるまう習わしがありこの餅を「山祝い餅」(弁慶の力餅)と呼び、熊野詣を無事終えたことを祝い多くの人々と喜びを分かち合い無事を祈ったとの記録を基に試作失敗を繰り返し銘菓「山祝い餅」を再現した。

店主森山昌彦氏と奥様の郁子さん 餅米に黒米と赤米の古代米をつき合せた柔らかな餅に、香ばしいごま餡、爽やかなゆず餡が絶妙にマッチした人気商品である。

 世界的に有名な博物学者南方熊楠がこよなく愛した田辺湾に浮かぶ神島に鶴が舞い降りるさまをイメージしたメルヘンチックな創作菓子「神島の鶴」を開発。

 黄味あんと小豆こしあんで栗を包み求肥生地で包餡しさらにマシュマロ生地でコーチングした和洋折衷菓子で口に入れるとほのかに梅や柚子の香りがする。

 平成23年5月22日に第62回全国植樹祭が天皇、皇后両陛下ご臨席のもと田辺市新庄総合公園で執り行われた。「神島の鶴」を献上し両陛下行幸お菓子として誉に浴しました。

 奥様の郁子さまと二人で頑張っています。

 和歌山県菓子工業組合事務局長・高橋義明