青森県菓子店

2012.04.15

㈲松葉堂まつむら

―めぼし菓子―

梅干菓子 今回は青森県黒石市の老舗、㈲松葉堂まつむらを紹介します。

 青森県の中心に位置した黒石市には、『日本の道百選』にも選ばれた伝統的建造物が残る「中町こみせ通り」があります。こみせ通りには、国の重要文化財である「高橋家」をはじめ、数多くの古い商家が軒を並べ、藩政時代の佇まいが今も残っています。

 そんな、こみせ通りの一角に「松葉堂まつむら」があります。創業は明治末期で、大正天皇が黒石ご訪問の折には、「宮内省御買上げ」の栄光を賜ったという。店内には、看板商品である「干梅」と記された総欅造りの贅を尽くした重厚な看板が鎮座している。津軽地方の家庭でよく作られる梅干しに、姿かたちがよく似ていることから、地元では「梅干菓子(めぼしがし)」の愛称で親しまれています。

 「干梅」は白餡を薄い求肥でくるみ、塩漬けした赤紫蘇で丁寧に包まれた和菓子となっています。製造は先人から受け継いだ方法手順を踏まえ、ひとつひとつ丁寧に丹精込めてつくることを心がけ、原材料にもこだわりを持ち、特に紫蘇の葉は、色合いや質を吟味した地元のものを使用し、よりよいおいしさを追求しているそうです。店主は、口に運ぶとぱりんと軽く赤紫蘇のかむ音がし、餡と求肥の甘さの中に、漬けた紫蘇の塩味と風味が絶妙な味わいだという。

 黒石の旧家が立ち並ぶ「こみせ通り」にお立ち寄りの際には、ご賞味してみて下さい。

 青森県菓子工業組合常務理事・猪股良孝