岩手県レポート

2012.03.15

全国よりの愛の菓子被災地へお届け

「愛の菓子運動」配布状況報告

 全菓連青年部主催の被災地支援「愛の菓子運動」に対し、全国多数の組合関係者よりご協力をいただき誠にありがとうございました。岩手県菓子工業組合の受入と、配布状況をご報告させていただきます。

愛の菓子受け入れまでの経過

会合の風景 愛の菓子受入にあたり、岩手県は、四国四県に匹敵する広大な県土を有すること、津波で被害のあった沿岸部が南北に縦断しており、配布が困難であること、内陸部でも岩手宮城内陸地震から度重なる地震により被害が出ていること、沿岸部の被災者が内陸部へ避難していることなど、問題が山積しておりました。が、全国の同業者各位の善意である「愛の菓子」を被災者に迅速にお届けするため、青年部のみではなく、岩手県菓子工業組合全体としてお受けする態勢づくりを進めることとし、小笠原章岩手県菓子工業組合副理事長を座長とする対策委員会を開催し、県内被災地の関係支部長に参集いただき、愛の菓子受け入れの対策を協議しました。

 受入対策委員会では、配布時に想定される様々な意見が協議されました。配布個数、荷姿、賞味期限、原材料表示などの基本的な問題のほか、学校や行政当局の関わり、お菓子の傷みやお届け先からのクレーム処理など、想定される各種事項について慎重に意見が交わされました。被災者は勿論のこと岩手県組合員も廃業に追い込まれている方、再開間もない方がいらっしゃることから、出来るだけ現地事情を把握しながら受入対応することなど意見が出され、特に最も津波被害の甚大だった気仙、釜石の両支部からは「仕分けは困難を極める。できるだけ50個、100個単位の箱にしていただきたい」という要望が出され、とりまとめた事項を全菓連事務局に報告し逐次連絡を取り合うことにしました。

愛の菓子配布先の選定

 全国から菓子をお送りいただき被災者に配布する。大きな善意でありますが、岩手県という広大な県土において、どこに何個配布したら良いのか?という大きな壁に当たりました。県庁や学校への問い合わせ、教育委員会への照会。目立った進捗も無い日々が過ぎました。震災被害から10ヶ月も経過し、復興のきざしが見える中、食品の支援は要らないなど、厳しいご意見も頂戴しながらの配布先選定作業が進められました。

 一方、地元紙での告知記事掲載や全菓連ホームページを通じネットでの配信が始められると、「ぜひお菓子を送って欲しい」というご意見も寄せられ手応えを感じはじめました。対策委員会で協議したところ、県南内陸部でも被害があったこと、被災者が内陸部の仮設住宅等にも避難されていることから、一関、東磐の両支部を含む久慈、宮古、岩泉、釜石、気仙の計七支部で対応することにし、早急に数量を取りまとめることにしました。

うれしい申し出

 愛の菓子運動を後押しするように、全菓連青年部より、被災地支援袋が岩手県組合へ、二万枚届けられました。組合員からは四万枚の注文を受け、全国に先駆け岩手県内で被災地支援袋の使用が開始されました。

 また、岩手大学の岡崎正道教授より、指導する留学生と自身が理事を務めるNPO生活温故知新で「愛の菓子」運動と連携を図りたいという申し出があり、更に全菓連ホームページを通じ、愛の菓子運動を知った沿岸北部の野田村の菓子店からも協力してもらえることになり、うれしいバックアップとなりました。

お菓子のとりまとめと仕分け作業

仕分け作業風景 岩手県内7拠点と2つのボランティアによる配布態勢が整ったことから、要望個数の取りまとめに入りました。配布先は約200ヵ所、要望数は44600個余。大学、高校、小学校、幼稚園、保育園、児童館、老人ホーム、養護施設、福祉施設、グループホーム、ディサービス、仮設住宅、避難住宅(雇用促進住宅含む)など、幅広い配布先となりました。全国からお送りいただいた菓子の受入数は要望数に対し、倍の約8万個超と全菓連組合員様の「被災地復興への熱い思い」を大きく感じました。全国津々浦々から届いた菓子はクッキー、どら焼、カステラ、ゼリー、せんべいなどお国情緒漂うものばかり、被災者の皆様にメッセージカードとともに届けられましたが、まさに全菓連にしか出来ない事業であります。受入れは被災によりスペースが限られており、組合員の倉庫、教育委員会施設、運送業者の営業所止めなど、関係支部組合員、従業員、ボランティア、NPO、学生、地域住民の応援をいただき仕分け作業が行われました。

愛の菓子配布 被災者の皆様お待たせしました!

配布した保育園児 愛の菓子配布は2月20~21日となっていますが、岩手県は広域なため、計画的に配布することになり、2月16日一関支部を皮切りに2月28日の宮古支部まで14日間の日程で配布されることになりました。全菓連青年部全国交流会in宮城が開催された翌日の2月21日には仙台グランドパレス前で出発式が行われ、全国からの出席者は、岡本全菓連理事長、矢部専務のお見送りのもと岩手、宮城の各コースを回りました。

 岩手コースは、大船渡市のさいとう製菓工場を訪問。同市内の明和保育園の役員に菓子を手渡しました。続いて、全菓連齊藤副理事長の講話があり、震災当時の様子や在庫の菓子を避難所へ全品お届けしたことなど貴重なお話を頂戴しました。

釜石小学校に配布 続いて、釜石小学校を訪問。小国輝也全菓連青年部東北・北海道ブロック長より児童の代表へ菓子を手渡しました。学校関係者は「震災当日は学校の下まで津波が押し寄せた。今回の全国のお菓子屋さんの善意は大変ありがたい、お菓子は子供達全員に渡したい」とお礼の言葉を述べました。その後、岩舘敏明釜石支部長のご案内で、同市内と大槌町内の菓子店被災状況をご案内いただき今も放置される菓子工場や製菓機械を目のあたりにし、被害の大きさを再認識しました。愛の菓子におけるバスの岩手県内の走行距離350㎞。夕刻、盛岡駅前で解散打ち上げと有意義な2日間の日程を終えました。

愛の菓子に対する反響

 配布後、県内各地より大きな反響が届いております。「お菓子を食べ心が安らいだ」、「普段食べたことの無い、遠方のお菓子をめずらしく頂戴した」など多数のお礼の言葉が寄せられています。子供達から寄せられた写真やお礼の手紙を読みますと、お菓子の持つ優しさを感じます。全菓連青年部として全国を巻き込んで実施された事業としては、初の試みでありましたが、愛の菓子運動は、親会であります全菓連傘下組合員各位のご協力があってこそ実現された事業であると思います。また、今回限りの単発事業ではなく、今後、形を変えたとしても継続した形での支援が望まれると思います。

 被災3県の早い復興を望み、被災地での愛の菓子配布報告とさせていただきます。

 岩手県菓子工業組合青年連合会長・小沢仁