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あなたも弥生のお菓子職人

レシピとアイデアのコンクール

弥生風のプリンケーキ 鳥取県といえばなんといっても鳥取砂丘と大山。「鬼太郎」や「コナン」の作者の故郷としても知られている。そして、国内最大級の弥生集落遺跡「妻木晩田遺跡」や、弥生人の脳などが発見されたことから地下の弥生博物館と呼ばれる「青谷上寺地遺跡」等々、日本を代表する弥生遺跡の宝庫でもある。

 鳥取県は、この2大遺跡を「とっとり弥生の王国」と呼んで県の内外にアピールしている。その一環として「あなたも弥生のお菓子職人」というお菓子作りコンクールを教育委員会事務局文化財課が実施した。

 弥生時代をイメージさせるお菓子のレシピとアイデアを募集するというもの。弥生時代の遺跡とお菓子。ちょっと意外な組み合わせである。「弥生人の子供は、お菓子を食べたのだろうか?」という素朴も疑問は残る。だが、クルミやクリなど弥生時代にも使われていた食材を用いることが条件と聞いて安心した。第3回となる今年は、「古代米」にちなんでお米がテーマである。

 応募119作品のなかから34作品が審査会に進んだ。送られてきたレシピに従って作られたお菓子を実際に食べて審査をする。私も審査に加わったのだが、どの作品もプロが作ったように美味しかった。レシピ部門では小学3年生の米粉入りクッキーと野菜パウダー入りマフィンで作った「外がわも食べられる やよいどきがたスイーツ」が最優秀賞に選ばれた。甘さを抑えたクッキーを口に含むと、お母さんやお父さんと相談しながら工夫を凝らす微笑ましい光景が頭に浮かんだ。

外がわも食べられる やよいどきがたスイーツ こんなお菓子があったらいいな~というアイデア部門では、勾玉の形をしたクッキーなどを使った「弥生風のプリンケーキ」が最優秀賞に選ばれた。こちらも小学6年生の作品である。彩り鮮やかなイラストが、とても愉快で楽しませてくれた。

 入賞作品は、公開されている遺跡でパネル展示されたり、レシピカードとして配付される予定。今回は、非常にレベルが高く、商品化の可能性をうかがわせるものまであった。

 弥生時代には、砂糖やベーキングパウダーなどはもちろん無かっただろう。けれども海や山には現代以上に豊かな食材が溢れていたはずである。邪馬台国の女王・卑弥呼も甘いもの好きだったのではないかと夢想してしまった。

 鳥取県菓子工業組合理事長・小谷寛

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