鹿児島県菓子店

2012.02.15

―日嗣屋菓子舗―

コンプレックスを糧に

日嗣屋菓子舗のお菓子 白波の立つ風光明媚な海岸沿いを走り抜け、阿久根市街に入ると、中心部の商店街に「日嗣屋菓子舗」さんがあります。

 店主の猿楽啓市さんは二代目。先代は奥様のお父様で、現在の薩摩川内市にある菓子店「あまつや」さんで修業され、大正13年に開業されたそうです。なるほど、「天つ日嗣」(皇位を継承する意)の名をいただき、「あまつや」さんの技術を継承する決意が「日嗣屋」の店名に表されているのでしょう。

 猿楽さんは、当初は電電公社で時代の先端を行くシステムエンジニアとして活躍されていたとのこと。どおりでスーツがお似合いでダンディなのですね。お父様に乞われ、1980年に店を継いでからは、お父様、他の店の職人さん、菓子組合の講習会等で懸命に勉強をしたそうです。今でも、叩き上げの職人さんへのコンプレックスを抱きながら、それに負けない技術を身につけようと頑張っていると穏やかな笑顔にも強い芯を感じさせます。

店主の猿楽啓市さんと奥様 現在、阿久根支部の支部長、県菓子組合の副理事長として、組合活動にもご尽力くださっています。

 阿久根支部は結束が強く、2008年には阿久根の特産品である文旦(ぼんたん)を餡に用いた「ぼんたんパイまんじゅう」を共同開発、販売しており、MBCラジオや南日本新聞でも取り上げられ評判を呼んでいます。遠方からもわざわざ買いに来られたり、電話注文をいただくことも多いそうです。

 優しい笑顔の奥様と二人三脚、今後ますますのご活躍を期待しています。

 鹿児島県菓子工業組合事務局・惠島理子