長野県菓子店

2012.01.15

信州須坂餅菓子処 コモリ餅店

四代目島田昌明さん 江戸時代、須坂藩主堀氏の館町として繁栄し、明治から昭和期にかけて製糸業によって隆盛をきわめた須坂市で、大正八年に創業した「コモリ餅店」の四代目島田昌明さんを訪ねました。

 島田さんは、大学卒業後、広告関係の会社に勤務し30歳のときに家業を継ぐ決断をし、和菓子職人になられた方で、現在長野県菓子工業組合青年部で活躍されています。

 創業以来の伝統を守り現在でも朝生専門の菓子店として商売を続けており、初代から受継いで作り続けている「泣く子も黙る名物コモリ団子」は初代の製法のまま、石臼で自家製粉した越後米を、石の臼でつきあげて団子を作っています。また、原材料にもこだわりを持ち、おやきに使う味噌は自家製、野沢菜は契約栽培をした農家から仕入れ、一から自社で漬けているとのことです。また、その日に作ったお菓子はその日の内に販売をすることを創業以来続けており、毎朝二時から二十数種類のお菓子を作り、売り切れた時点で閉店というこだわりを持ち続けたご商売をされています。

ホワイト・ラバーズ 須坂市は生産されるフルーツの種類が豊富で、出荷量は長野県一番を誇るフルーツ王国と言われていることから、フルーツの普及と街の活性化を図る目的で開催されている「須坂フルーツスイーツフェスタ」の須坂フルーツスイーツコンテスト(審査委員長 有名パティシエ鎧塚俊彦氏 募集対象は全国)において、昨年、島田さんの開発した須坂産りんごのセミドライを使用した『須坂フルーツおこし』が準グランプリに輝きました。味は3種類あり、りんごに須坂産最高級ぶどうのナガノパープルを合わせたもの、りんごとクランベリーを合わせたもの、ナッツやシリアルをキャラメルで味付けしたグラノーラとりんごを合わせたものがあります。このお菓子開発にあたっては、地元産りんごの最高級のドライフルーツの美味しさを活かすため、試行錯誤の結果、おこしに使うことを思いつき浅草まで出向きおこしの製法を勉強し、硬くならず、べとつかないおこしにするまで悪戦苦闘のすえ製品化に漕ぎつけたそうです。さらに、今年度10月23日の第3回のコンテストにおいては、須坂産希少カシスの実を練りこんだ餡で、カシスのパート・ド・フリュイを包んだ甘ずっぱい黄味時雨にホワイトチョコをコーティングしたお菓子で見事グランプリを獲得、鎧塚さんから高い評価をいただいています。このお菓子は、須坂市のアートパークが恋人の聖地に選定されたことを記念してホワイト・ラバーズの商品名で販売しています。また、他にも種無しの皮まで食べられる特産のぶどう(ナガノパープル)やプルーン等を使った様々なお菓子を開発するなど、地元のフルーツを使った新しいお菓子作りや、洋菓子の勉強をしその技術や素材を和菓子に生かす研究にも積極的にチャレンジしています。

 わざわざお店に買い物に来てくださるお客様を大切にするために、季節のお菓子を大切にし、自らお客様と対話することに心掛けているという島田さんは、ネット販売においても血の通ったコミュニケーションを行わないとお客様に失礼になると、ショッピングカートをわざと設置せず、商品をお送りするまでに何度も対話をしているそうです。

 その日に作ったお菓子はその日の内に召し上がっていただくという菓子鮮度にこだわり、地元を思い、お客様との血の通ったコミュニケーションを大切にするために一店舗にこだわる姿勢に触れ、長野県期待の和菓子屋とますます発展することを願っています。

 関東・甲信越ブロック長・吉田勝彦