佐賀県レポート

2011.12.15

地域のなかの菓子屋

無くてはならない存在に!

鳥栖長崎街道まつり 佐賀県は、鎖国していた江戸時代、西洋貿易を許されていた長崎から小倉を結ぶ、旧長崎街道が当時つらぬき、大坂、京都、江戸への続く街道として、オランダ商館長の江戸参府や長崎奉行の赴任など、人々が往来するだけでなく、さまざまな珍しい文物や動物、新しい技術や情報が伝えられていきました。そのなかには当時高価だった砂糖や南蛮菓子をはじめとする日本に存在しなかった新しい菓子を作る技術なども含まれていました。街道沿いには、それぞれに特徴あるお菓子が古くから大事にされてきました。

 そこでこの長崎街道のことをシュガーロード、つまり砂糖の道とも呼ばれるようになったのです。近年、その流れをうけて、県内各地の観光協会は新しい祭りや催事を企画して、地元の菓子組合や菓子店とタイアップした事業を展開するようになりました。

 佐賀市では、毎年2月の半ばから3月下旬までの間、鍋島藩の城下町文化「ひなまつり」をつうじて紹介しています。佐賀県菓子工業組合青年部では、銀行などの空き店舗を借り上げて、郷土菓子マルボーロや和生菓子の製作実演と販売、工芸菓子や雛菓子の展示、組合員のための菓子売り場の設置など、多岐にわたる事業をみずから運営し、今年でちょうど十年目を迎えるまでになりました。鳥栖市でも、街道の宿場跡が二ヶ所あることから、十年ほど前より10月に「鳥栖長崎街道まつり」を宿場の間にある神社を会場として開催されています。ここでも組合員が参加してまつりを盛り上げています。

 このように、私たち菓子屋は、地域の方々から、地域に無くてはならない存在となっています。私たちは、代々世間からいただいたご恩義を深く感じ、互いに切磋琢磨しながらも、それぞれの地域や店の菓子・文化を尊重し、店主や社員ともども仲の良さを広げていかなければならないと思っています。菓子組合での活動を通して、これが自然と身についてきたのではないでしょうか。

 佐賀県菓子工業組合副理事長・水田哲夫