兵庫県菓子店

2011.11.15

一菓素心 髙山堂

伝統の和菓子に革新性

写真① 今回は、兵庫県西宮市あります株式会社髙山堂に(今回の取材は箕面店)取材させていただきました。専務取締役の竹本洋平氏は兵庫県菓子工業組合青年部のメンバーです。

 髙山堂は、明治20年に大阪市東区平野町(現中央区)で創業し、初代松本勝次郎氏の親戚で二代目の竹本熊治氏が大正7年に独立し「粟おこしの髙山堂」の経営に乗り出して現在の基盤を作った。戦前は、高島屋を中心に販路を広め、出征兵士の慰問袋用に缶入りおこしを開発、爆発的な売れ行きとともに業績を上げていった。粟おこしは、保存食であるとともに戦場への携行食として珍重されたからである。戦況が激しくなると粟おこしの生産は中止せざるをえなくなり、大阪大空襲により店舗・工場のほとんどが焼失した。戦後、なんとか製造を再開し、昭和30年竹本昇一が3代目の社長に就任、直営店舗の本格的展開を開始する。昭和45年には大阪万博では、単独出店を果たし、さらなる発展を目指し、完全オートメーションシステムによる粟おこしの製造工場にした。昭和62年髙山堂は創業100周年を迎え竹本清三氏が社長に就任した。このころより、時代や消費者趣向の変化を読み取り、粟おこしの専業メーカーから、原点回帰を目指し、和菓子専門店へと業態を変化していった。現社長の清三氏は、企業のテーマとして「一菓素心」を掲げ、一つ一つの菓子を素直な心と創業の理念を持って、コミュニケーションをはかってゆく。伝統の和菓子と阪神間の地域文化と融合化して、和モダンをコンセプトにした地域密着型の直営店を展開している。

 現在のヒット商品である「スウィートまーめいど」は4年連続モンドセレクション金賞受賞。伝統の手法で作られた乳菓であるが、そのネーミングや形は西宮からサンフランシスコ間の小型ヨットによる太平洋単独横断に成功した堀江謙一氏の「マーメイド号」に由来しているという。

 「西宮(阪神間)に必要とされるお店を目指しています。子供たちに和菓子を日用の菓子として食べてもらいたい。そのために、子供たちや地域の人たちに対し、和菓子教室の開催などを積極的に取り組んでいきたいですね。」と5代目に当たる洋平氏は語る。また、進物に使用されている掛け紙は、「西宮三十六景」と題し、西宮に所縁のある作家にお願いし、毎年西宮の春夏秋冬四景を9年にわたって描いていただくというこだわりようだ。

 西宮という地域特性と「伝統の和菓子に革新性」という髙山堂のコンセプトがこのお店の魅力になっていることは間違いないと感じた。洋平氏のますますの活躍に期待したい。

 近畿ブロック長・中島慎介

店舗データ

写真②株式会社髙山堂
西宮本店…兵庫県西宮市門前町1-14(市立中央病院前)
電   話…0798-67-7918
H   P…www.takayamado.com
営業時間…9:00~19:30