三重県レポート

2011.11.15

お菓子の社会的役割

日本人の心の文化を支える

 今、日本は、東日本大震災を機に、自然災害の恐ろしさを思い知らされています。また、原子力発電所の事故により、放射能による食の安心安全にも被害が波及しています。

 被害を受けた同業者も数知れず、未だ混乱の中で努力されていることと思われます。

 三重県も台風12号の被害で、南部地方を中心に壊滅的被害を受けた同業者が存在します。被災された方にお見舞いを申し上げると共に、一日も早い復興をお祈りするばかりです。

 想定外の危機を恐れ、危機管理の体制が見直され、防災だけでなく、食の安心安全に対してもより詳しい表示や原材料の仕入れ管理に生産者義務が強化され、中規模企業や零細企業にとっては益々厳しい状況になろうとしています。全菓連では、栄養価表示等に他の組合と協力して反対の立場で政府と交渉をして頂いています。

 菓子屋を取り巻く状況は、長引く不況だけでなく、次々と新しい課題に悪くなる一方です。歴史的に日本の風土と共に、日本人の心の文化を支えてきた菓子文化の試練の時と言っても過言ではありません。

 以前にも触れましたが、地球温暖化の影響か、日本の四季から春と秋がどんどん短くなってきています。加えて、栽培技術の向上と供給のグローバル化により、果物や野菜から季節感が消えつつあります。こうした中、菓子はお客様に季節感を感じて頂ける重要なアイテムとなっています。また、人と人の繋がりを取り持つアイテムとしての役割もあります。菓子屋の基本はおいしい菓子を製造提供することです。お客様には、自分がおいしいと思った菓子を他の人に食べさせたいと思って頂ける事が肝心かと思います。

 日本人の心の文化を支えることが、菓子屋の社会的役割と考えます。

 今こそ、こんな状況だからこそ、同業者同士、切磋琢磨し、地域の皆様にあの菓子屋が無くなっては困ると言われるような菓子屋を目指しましょう。

 三重県菓子工業組合理事長・岡幸男