高知県菓子店

2011.10.15

夢菓房 武市神栄堂

100年の歴史と商品のこだわり

手焼き煎餅 「君が代」 今回訪れたのは、 高知市内から車で走らせること30分。 土佐の潮風が薫り、 雄大な山々もある自然豊かなまち香南市香我美町です。  この町は東西に3㎞、 南北に20㎞と山側に広くなっているのが特徴です。 しかし少ししかない海岸では一年を通して観光地曳網ができ、 漁師になった気分が体験できます。 そして山では高知のブランド品 「山北みかん」 のみかん狩りが楽しめます。 この山北みかんは小振りなのですが、 とても甘くて香り高いフルーツで私も大好きです。

 この香我美町で、 明治時代に創業、 100年を超える歴史をもつ武市神栄堂を担うのが4代目主人 武市洋三氏です。 店に入ると様々な賞状とともに目に入ってくるのが、 大きな魚拓や大物を釣りあげた写真である。 聞くところによると、 夏場には仕事の前に釣りに行くこともあるとか。 歩いて行けるところに海があるので、 釣り好きの武市氏には最高の環境のようだ。 うらやましい限りであります。

 武市神栄堂は季節の上生菓子や団子、 大福と様々な品を武市氏が一人で作っています。

 特にいちご大福は一年中作るというこだわりをもっています。 それゆえ地元でも有名で高知市内からわざわざ買いに来るお客さまも多いようです。

 こだわりは他にもありまして、 菓子作りに自家製の材料を使うということです。 店頭に並んでいた商品でプリン、 ゼリーがありましたが、 なんと自宅の農園で採れたかぼちゃ、 ぶどう、 桃を使っているのだそうです。 実は武市神栄堂の3代目徹氏の趣味が高じて野菜、 果物をたくさん作っているのです。 そして収穫すると店にもってきてくれて、 4代目洋三氏が商品にします。 新しい食材だと新しい商品が生まれるのだそうです。 このこだわりはなかなか真似のできないすごいことだと感心させられました。

 そして武市神栄堂には創業以来100年以上も作り続けている菓子もあります。 それは手焼き煎餅 「君が代」 です。 昔からの手法で焼き上げたせんべいは素朴な味で、 その軽い口あたりが明治時代の風情を醸しだしてくれるすばらしい一品です。 このせんべいは本当に懐かしい味がしました。

 武市氏は代々受け継いできた菓子、 日本の風習、 文化を大事にしながらも、 新しい商品も作り続けていき、 そしてお客様に常においしいと笑顔で言ってもらえる安心のあるお菓子を提供し続けたいと語ってくれました。 私も地元でがんばる菓子屋として見習うことがいっぱいあると感じた取材でした。

 中・四国ブロック長・高橋宏暢

 

夢菓房 武市神栄堂店舗データ

夢菓房 武市神栄堂
高知県香南市香我美町岸本197-7
電話 0887-54-3377