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丹波大納言小豆

和菓子の命「餡」の素

「大納言小豆発祥之地」の石碑が立つ 丹波大納言小豆の主産地である兵庫県丹波市は、兵庫県の中東部に位置し中国山地の東端に位置した盆地です。盆地特有の気候により昼夜の温度差が著しいため、秋から冬にかけて濃霧が発生することが多く、この気候を活かした作物が数多く栽培されております。

 中でも丹波市春日町東中が発祥の地とされる大納言小豆は、氷上郡誌に「宝永二年(1705年)当時の亀山藩主青山下野守が、現在の丹波市春日町(旧国領村東中)で採れる小豆が優れていることから、庄屋に命じて納めさせた小豆からさらに精選して徳川幕府に献上させた。それ以来幕末までこの貢物は続けられた」との記載があります。また、煮ても腹の割れないこの小豆を「大納言は殿中で抜刀しても切腹しないですむ」ところから、「大納言小豆」と名づけたといわれ、このように、古くから優れた特性が高く評価されている小豆が、広く丹波地域で作られるようなりました。

丹波大納言小豆 栽培は7月中旬から下旬にかけて種を播くことに始まり、8月中旬過ぎから9月中旬にかけ朝夕が涼しくなると黄色い花が咲き実をつけます。10月になり冷え込んでくると、莢が色づき実が熟します。一度に熟さないので、一つ一つ莢取りという手間のかかる手作業になり11月中旬ごろまでに2~3回に分け収穫します。主な特長は「表皮が薄く煮ると指頭大になる」「煮詰めても形がこわれない」「光沢が美しく形が四角である」「炊き上げると、丹波大納言小豆特有の香りがある」などです。

 丹波の気候風土と伝統の栽培技術により手間隙かけて作る上質の大納言小豆は、消費のほとんどが和菓子の主原料となっています。和菓子のいのちは「餡」。その美味しさは、豆自体の質に大きく左右されることから、昨今では丹波大納言小豆はブランド品として全国的に有名となりました。丹念に作られる丹波大納言小豆は和菓子業界を支える重要な役割を担っています。

 丹波ひかみ農業協同組合 営農経済部・小玉健一

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