鹿児島県菓子店

2011.09.15

い志川菓子店

実直勤勉な人柄

石川捷利さんと奥様 鹿児島市一番の繁華街天文館から鹿児島中央駅に向かって、ひと停留所、市電やバス等、交通の要衝である高見馬場。そこに思わず覗いてみたくなる佇まいの「い志川菓子店」があります。

 店主の石川捷利さんほど第一印象と異なる方はいらっしゃらないかもしれません。一見厳しそうなお顔立ちをしていらっしゃるのですが、お話をすると笑顔がこの上なく優しいのです。

 お店を訪ねてみると、正面に色とりどりの美しいお抹茶用のお茶菓子やお煎茶用の干菓子があります。茶道教室や高校、大学の茶道部のお茶菓子の注文が多いそうです。個々のご要望に合わせて作ることもあり、季節のお菓子のデザインを毎日考えて、時には眠れないこともあるとか。

 また、先代から続く信頼を大切にして、お寺からは法要や行事のたびに、ご注文をいただき、お餅や型菓子を納めているそうですし、誕生餅のご注文をいただくと、小判型の一升餅に赤で寿の文字を入れ、お子さんの幸せを願い、精魂込めて作られるそうです。

きせ綿(上)、十五夜(左)、竜田川(右) 「どのお菓子も一つ一つお客様のために心を込めて。だからこそ、お客様の信頼を得て、更に口コミで、新しいお客様がお店を訪れるのですね。」と申し上げると「いやいや、値段が安いからだよ。うちは夫婦二人だけだからね。」と謙遜されるのです。

 若い頃には、師の技術を見て覚え、夜になるとメモをとり一所懸命勉強したそうです。また、若い人たちで「持ち寄り会」という勉強会を開き、互いに技術向上を目指していたそうです。

 ご主人を支える奥様は、笑顔が素敵で闊達な方です。この奥様と二人三脚だからこそできる、丁寧で、なおかつ安価なお菓子作り。陳列されたお菓子の向こう側に、手に取ったお客様の笑顔が見えるような気がしました。

 鹿児島県菓子工業組合事務局・惠島理子