埼玉県菓子店

2011.02.15

―清月堂―

地場産野菜のお菓子

野菜ようかん すぐそばを利根川が流れる。埼玉県妻沼町、現在は、合併して熊谷市となりましたが、そこに清月堂と云うお菓子屋さんがあります。初代内田清治さんは、本店で和菓子の店舗を、二代目長男は、別の場所でパン屋さんを、次男は、その店舗で洋菓子を、それぞれに違う菓子を製造販売しています。

 旧妻沼町は、古くから関東ローム層の土地を、生かした野菜が有名で、特に大和芋、人参、ほうれん草がよく育ち、地場産業として発展してまいりました。そこで、それらの野菜を使ったお菓子の研究を初代が進め、人参、ほうれん草、大和芋の入った羊羹を試行錯誤の末、完成させ好評を得ています。野菜羊羹の生野菜の下ごしらえは、人参、ほうれん草は、旬の時期に、ふかし裏ごしをし、砂糖を加え冷凍保存しているそうで、大和芋は、冷凍するとえぐみが出るために、その都度、大和芋をすり加えるそうです。

 また、旧妻沼町は、日本の一大叙情詩として有名な、平家物語巻の七に登場する斉藤別当実盛が、長井の庄司となられたのは、仁安二年(一一六七年)の頃で、その実盛公の、守本尊歓喜天を御祀りした御堂が、関東の名刹、妻沼聖天山歓喜院です。地元の人々には、親しみを持って聖天様と呼ばれて居ります。妻沼町のお菓子屋さんは、その聖天様の門前町として共に栄えていきました。

 清月堂さんは、源平盛衰の歴史を飾り、花も実もある武人と、うたわれた実盛公にあやかり、菓子実盛公や、歓喜天最中等も作って居ります。機会がございましたら、妻沼に御立ち寄りになり、聖天様、並びに、野菜を使用したお菓子をご賞味下さい。

 埼玉県菓子工業組合広報部長・西田昇史