鹿児島県菓子店

2011.02.15

―菓子処かぢき庵―

寡黙な情熱家

かぢき庵のお菓子 薩摩半島と大隅半島の結束点に位置し、鹿児島県のほぼ中央にある姶良市加治木町。鹿児島県内を移動する転勤族や空港関係者が多く住んでいる町でもあります。そんな閑静な住宅街にある「菓子処かぢき庵」をお訪ねしました。

店主の酒井正和さんは、穏やかで物静かな方ですが、お菓子のこと、材料や包餡機などの話になると、同じ人物とは思えないほど熱心に、饒舌に語り始めます。そのギャップに興味を持って、一度お話を伺いたいと思っていました。

お菓子作りへのこだわりをお聞きすると、「いい材料と、いい機械。いい物への投資は惜しみなくします。そして、新製品の勉強。自分は他店での修行をしていないので、今でも毎年、福岡、大阪、東京と色々な講習会に参加しては勉強をしています」とのこと。

「龍門の月」「かぢの木パイ」「太鼓踊り」「くも合戦」「さつまおまき」そして、市町村合併で「姶良市」となった記念に作った新製品の「姶良カルどら」等々。

店主の酒井正和さんと奥様 お勧めのお菓子をお聞きすると、「『鹿児島名産かるかん』は勿論ですが、殆どの商品に加治木の名勝や行事や祭りなどの名前を付け、袋には由来も詳しく書いていますので、加治木のお土産として、お客様に喜んでいただいています。外(種子島)から来たからこそわかる、加治木の良さ、感謝の気持ちを込めてお菓子を作っていますので、全部がお勧めです」と奥様。

ご夫妻は、平成9年に娘さんたちが大学と短大を同時に卒業されたのを機に、一念発起して種子島からこの地に居を移されたそうです。新しい土地への不安より、新しい出会いへの期待と興味の方が大きかったと奥様は笑います。

なるほど、寡黙で仕事一筋、飽くなき探究心と情熱を持ち続ける誠実なご主人と、笑顔が弾ける朗らかで外交的な奥様との二人三脚で、地域に溶け込み愛される菓子店になったのだな、と納得させられました。

 鹿児島県菓子工業組合事務局・惠島理子