神奈川県菓子店

2022.10.19

横浜 風月

横浜市戸塚区が誇る和菓子店

千両最中 今回は、横浜市戸塚区に在る「横浜風月」を訪れてきました。

 1971年から戸塚区内の別の場所で15年間営業していましたが現在の場所に移転してからすでに36年たちました。現在のお店のある所を社長は「立地条件は決して良くない」と言われました。お店の前には、新しいきれいな道路が通っていますが確かに通る車は大型車が多く皆通過していきます。お店の周りも大型車が数台止まっている会社が何軒か在り、坂の上にある店舗から下の方のバス道路に向かって人通りは少ないようです。お客様はほぼ100%車で見えるようです。お店は浦川社長と息子さんの2人でお菓子を作りながら、お客様のお相手もしなければなりません。息子の博史さんは裏千家の茶名「宗博」を頂きお茶席用の和菓子作りに励んでいます。店頭には可愛いく綺麗なお菓子が並んでいました。それでも、経営は大変かなと思ったら実は、少し離れた町中に瀟洒な店舗で奥様がしっかりと販売を受け持っているとの事でした。36年続くこちらの本店は「客数は一日に20名ぐらい」さらに「和菓子屋にはどこでも置いているお団子と大福は取り扱わない」と言われる社長。お団子と大福は少客だから作らないとの事でした。本店は客単価が大きいことで成り立っているのでした。

桃菓ちゃん この店の1番の売りは『千両最中』最中の間から見える小豆餡が早く食べてと訴えるような「小判最中」これを箱に入れ『千両最中』が出来上がり。これは食べると幸せになれること間違いなしでしょう。

 2番目の御菓子は『戸塚まんじゅう』、地元農家の手作り味噌を生地に練り込み、中の餡は北海道産かぼちゃを使用した地産地消の味がする和菓子です。地元の2021年の「おいしいもの とつかブランド」に認定されていて、評判の良いお菓子です。

 3番目は神奈川県菓子工業組合の和菓子『桃菓ちゃん』。羽二重生地に餡と桃を入れた美味しいお菓子だから、「神奈川県にはこんなおいしいお菓子があるのだ」という事をこれからもアピールしていくとのことです。
風月の和菓子 また定番の「どら焼き」もあります。「どら焼き」の生地に使っているのは、近隣養鶏場の新鮮な卵を使います。養鶏場の生産者が試行錯誤した栄養ある餌をたっぷり与えた鶏が産んだこの卵はとても黄身の色が濃いのだそうです。入念にチェックを受けた卵は翌日新鮮なうちに出荷されます。そしてこの黄色の濃い新鮮な卵を横浜風月の浦川社長様がいつも自ら買いに行き、その卵を使いどら焼きの皮を作っています。まさに地産地消の和菓子作りです。

 各お店には、それぞれの意味深い理由があり、たとえ苦しくとも、そこを逆手にとってこんなに素晴らしい歴史を作られてきたお店があるのを思い知りました。

 浦川さんは、近隣の小・中学校に行き自分で作る体験をしたいという要望に応え、学校に赴き授業の中で講師をしたことも何回かあります。子供たちが日本のお菓子を作ることも食べることも経験し、いつまでも伝統のある日本の和菓子が好きでいて欲しいと思います。

 神奈川県菓子工業組合事務・中山尚子