大阪府菓子店

2022.09.15

多田製菓株式会社

コロナ禍でも着実に成長

主力商品 今回ご紹介するのは大阪菓業青年クラブに所属する「多田製菓株式会社」さんです。創業約60年の多田製菓さんは煎餅屋として創業しましたが、当初はなかなか売上が伸びず、創業者は新商品開発を繰り返したそうです。その中でもみじ饅頭やベビーカステラ、バナナカステラ、鯛焼きなどを開発し、当時まだ半生菓子の少なかった卸市場にて多くのヒット商品を生み出し、それが現在においても多田製菓さんの売上シェアを大きく占めているとのこと。創業時より、市場の狭いニーズを狙ういわゆる「ニッチ戦略」を貫いて、確実な市場開拓とお取引先様との信頼関係を築いてきたと語るのは、三代目にあたる専務取締役の多田直矢さんです。現在もベビーカステラ、バナナカステラ、ミニ鯛焼きといった和菓子が売上の主流とのことですが、近年はフィナンシェやマドレーヌ、さらにはコロナ禍で新たに生産開始したバウムクーヘンなど、洋菓子が毎年150%近い成長をしていると驚きのお話を伺いしました。2021年11月には従来の工場を洋菓子に特化した工場へリニューアルし、新たに購入した土地に新本社を竣工しそこに和菓子工場を移設されました。見学させていただいた和菓子工場は、工程ごとに区画を分けた上で、清潔かつ開放感あふれる空間となっており、見学用通路も設けられたまさに理想の工場に仕上がっていました。これは設計に著名な設計士を入れていると思いきや、意外にも多田専務はじめ従業員の皆さんで設計を一からされたとのことで本当に驚きました。ただ、今回の会社訪問の際に、顔を合わす全ての従業員さんが笑顔で挨拶をしてくださり、非常に風通しのいい社風を感じていましたので、なるほどとすぐに納得いたしました。

工場直売店 現在、多田製菓さんはコロナ禍においても、順調に計画を大幅に上回る売上を計上しておられます。その強みを尋ねてみると、非常に冷静に自社の強みを分析されたお答えを頂戴しました。「弊社は創業当時より他社のやらないニッチな戦略を心がけています。特に初期投資のかかる設備を積極的に導入し、一見生産効率の悪いお菓子を作っています。ただ、その背景には、確実にそのニーズが市場や取引先、そしてエンドユーザーにあるという信念があり、その信念に基づいて創業以来多田製菓はその狭い市場に真摯に向き合ってきました。お客様からのニーズにできるだけ応えたい。その想いで作り上げてきたお菓子が、そのまま今の多田製菓のラインナップとなっています。まさにお客様のニーズに合わせた商品開発をしてきたからこそ、お客様と共に成長してこられたのだと思い感謝しています。」
多田専務と新社屋 実際、ここ10年ほどでお客様のニーズに合わせたPB商品は売上の3割程度から6割以上に増えているそうです。PB商品を増やすことで製造現場の手間がかかることで反発はなかったのかお尋ねすると、「お客様のニーズに合わせて小回りをきかせることで弊社は成長してきたので、従業員みんなもそれが当たり前と思っています。」と多田専務は笑顔で答えられました。

 最後に今後の展望については、新規で展開しているバウムクーヘンの市場開拓をさらに伸ばしたいこと、いずれ直売店を展開したいことなど、夢の尽きないお話を伺うことができました。ニッチかつ確かなマーケティング戦略で実績を積み重ねている素晴らしい会社さんであり、今後のご発展がますます楽しみで、私自身大きな勇気をもらえる有意義な時間となりました。

 全菓連青年部近畿ブロック長・竹本洋平