石川県レポート

2022.08.18

農菓プロジェクト

~夜舟・北窓~

夜舟 「農菓プロジェクト」は、石川県の食文化を広く伝え、農業者と和菓子業界の協業により活性化を目指す団体です。「地元産の農産物を使っておいしいお菓子を作る」。そのことによって双方に共通する問題を明るく打開し、究極の「顔が見える」モノづくりを未来につないでいく、新しい菓子文化の創造を目指しています。

 その農家プロジェクトが手掛ける夏の風物菓子「夜舟」を紹介します。夜舟とは「おはぎ」や「ぼたもち」の夏の呼び名で、もち米を半殺しにして仕上げるおはぎは、もちをつかない→搗(つ)き知らず→着き知らずとなり、それを夜暗く、船が港にいつ着いたか分からない「夜船」と見立てたため。このような名前がつきました。

北窓 石川県では、彼岸や墓参りの際にお供え物として購入する人も多いです。餡や具材に旬の食材の美しい色合いと風味を生かした個性豊かな夜舟を金沢のお盆の時期である7月12日を夜舟の日と定め、地元の農産物を使った限定夜舟を販売しました。

 そんな「夜舟」も3年目を迎えた頃、夜舟に続き、「北窓」のプロジェクトも始まりました。北窓も「おはぎ」や「ぼたもち」の冬の呼び名で、冬の北向きの窓からは月が見えない。もち米を半殺しにして仕上げるおはぎは、餅をつかない。餅のつきが見えない、月が見えないという言葉遊びです。今回は初試みでクラウドファンディングにて商品を開発・販売しました。今、食文化の未来を担う次世代の職人が減っています。石川県内の農家と和菓子職人が農産物で創作菓子を作る農菓プロジェクトの中から、20代~30代の若手和菓子職人が手を挙げ、冬のおはぎ「北窓」を開発しました。テーマは「石川の冬」。四季のおはぎを地元の農産物で作り、当日消費の生菓子を冷凍することで全国配送できるようにし、若い感性で新しい石川の菓子文化を作る挑戦で沢山の応援をいただきました。

 石川県は、霊峰白山の豊かな水の恩恵を受け、農業が盛んな土地です。また、加賀百万石の時代から茶道が盛んで和菓子文化が栄えたことから「和菓子消費量日本一」の県でもあります。地元の農家が大切に育てた農産物で、和菓子職人が創造力と技を駆使しておいしいお菓子を作る。それが『農菓プロジェクト』なのです。石川県の豊かさを感じてください。

 石川県菓子工業組合青年部・運営専務・谷口航平