愛媛県レポート

2022.07.15

お茶とお菓子

濱口喜太郎氏 寄稿

茶席用干菓子 松山市中心部の閑静な住宅街の中に、日本庭園・茶室・和室を設け、茶席・囲碁・将棋等和文化を楽しむ愛媛県生活文化センターがあり、その中にある茶室「和松庵」は茶事専用の本格的施設で、流派を問わず大勢の方の研鑚の場として活用されています。

 和松庵は、当時の茶道裏千家淡交会松山支部長 濱口喜太郎氏の「本格的なお茶事ができる場所を提供できないか」という発案の下、平成元年に完成し、建設費用・茶道具に必要なもの一式の費用を淡交会松山支部より愛媛県に寄贈されたということです。

 かつて、その濱口喜太郎氏が当組合に寄稿されたコラムをご紹介します。

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茶席用干菓子 「お茶とお菓子」と云えば、我々昔の人間は「日本茶(抹茶・煎茶)と和菓子」のことと思うが、若い人達が「お茶でもいかが」と云われたら「コーヒー、紅茶と洋菓子(ケーキ)」ととるだろう。だが、ここでは前の方の意味で日頃感じていることを書くことにする。

 先ず、茶道に関することだが、第一に濃茶には餡もの、薄茶には干菓子というのが常識だが、裏千家淡交会の月次窯では、薄茶なのに餡ものと干菓子が一緒に出る。訊いてみると、松山支部だけのようだ。見ていると、大抵の人が、干菓子は懐紙に包んで持ち帰る。どうしてこうなったのか?濃茶を省略しているので、お菓子の方だけでも、という訳なのかと素人考えで思ってもみたが、どうもそうではないらしい。次に、茶席のお菓子については、主人側は季節感から形、色などについてはいろいろと趣向を凝らすが、お客の食べいいものという点にはあまり気を配っていないように思えることが間々ある。楊子でつつくとバラバラに崩れてしまって、なかなか口に持って行きにくい。主客互いに、お互いを思いやるのが茶道の精神と聞いているのに、之はどうもいただけない。

 話の筋は違うが、お茶所静岡に居た時聞いたことだが、チャッキリ節が茶摘唄に代わって流行りだしてから、お茶の味が悪くなったというのである。チャッキリはお茶を小枝ごと刈取る時の鋏の音、ミルイ双葉(ミルイとは新茶に使う新芽の柔らかくみずみずしい様)を指先で摘み取る時の茶摘唄ののんびりとした調子とは全く違う。つまり、量産化により質が低下したということである。

 お菓子についてだが、「日本のお菓子」という本には、北は北海道から南は九州まで、全国の菓子店660軒とその菓子1100品載っているが、私の知っているだけでも、まだこの外にたくさんのお菓子屋がある。しかも、一つのお菓子屋が、夫々数種類のお菓子を作っているのだから、日本全国の和菓子の種類はおそらく数えきれないほどだろう。

 いずれにしても、いいお菓子と、上手に淹れた、いいお茶の取り合せは、日本人独特のデリケートな味覚の楽しみであろう。

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 愛媛県菓子工業組合広報部