富山県菓子店

2022.07.15

おいはら餅店

手作りで自然な味

おいはら餅店のお菓子 当店は富山県高岡市(旧福岡町)に店を構え、創業は1945年(昭和20年)となります。高岡市の人口は約17万人、産業は銅器や漆器の伝統産業、アルミや薬品などの近代工業が根付いたモノづくりの街です。店の周りは田畑に囲まれ、南に砺波平野が広がる自然豊かな地域です。

 初代の祖父・善次は戦後混乱期にかきやま(おかき)屋を始め地域に根付いた商売をしました。二代目の父・善勝は、高度経済成長真っ只中の昭和30年代後半に冠婚葬祭の需要が増えてきている餅に着目し、かきやま屋を餅屋に転身させました。私の幼少期は、週末になると祖母と両親で早朝から沢山の注文品を作っていたのを今でも鮮明に思い出します。

おいはら餅店 おかげさまで当時よりお客様からの評判も良く、今現在も製法を一切変えず営んでおります。原材料となる糯米は自家水田が約5町歩(5ヘクタール)ほどあり、その収穫分と残りの不足分は契約農家さんから購入することで確保しています。また品種は、糯米の最高級品と呼ばれる「新大正糯」を使用しています。この糯米の特徴は、絹のようななめらかさ・強い粘りとコシ・風味豊かな味と甘みです。現在私どもは、この良質の新大正糯を使い様々な餅を作っています。こだわりとして秋に収穫された糯米玄米をそのまま工場内の低温倉庫で保管をし、少量ずつ精米をして〝朝搗きたての餅〟としてお客様に販売しています。このひと手間により、新大正糯の美味しさを最大限に生かしていると思っています。

 その他の原材料をみると笹餅の笹は、5月から近隣の方々に笹を収穫してもらい地元産の笹を包んで販売しています。塩味が効いた豆餅に新鮮な生笹の香りが口いっぱいに広がる笹餅は、甘い物が苦手なお客様からも大変好評をいただいております。また通年商品の草餅(草大福)のヨモギも、4月から5月頃に同じく近隣の方々に収穫してもらい、茹でた後は冷凍保存をして毎日解凍しながら使っています。風味が強い自家製ヨモギが入った草餅はうちの主力商品となります。

 今現在、当店の和洋菓子商品もかなり増えてきました。販売先もスーパーマーケットなど複数の店舗に卸しております。その中でも売り上げの柱は、杵つき餅の商品です。このコロナ禍で売上減少や原材料高騰など問題も山積ですが、先代が築き上げた「手作りで自然な味」をこれからも守り続けること、そしていつまでもお客様に喜んでいただけるように努力を重ねれば、自ずと道が開けると思います。

 富山県菓子工業組合副理事長・生原正樹