静岡県菓子店

2022.07.15

富士宮市 お菓子の国「明月堂」

補助金制度利用したリニューアルオープン

初代正義氏の遺影を抱き新装開店を喜ぶ母・和子さん。二代目・淳之氏、三代目・広人氏、奥様・美幸さん お菓子の国「明月堂」は富士山の麓、浅間神社本宮がある富士宮市、JR身延線・西富士宮駅から数分北へ上った閑静な住宅地の幹線道路沿いにある。

 創業は昭和44年、長崎県対馬出身の中島正義さんが34歳で現在地に開店した。現在は2代目淳之さん、昨年から3代目広人さんが修業から帰り父親と共に頑張っている。

 初代正義さんは3年前、89歳で亡くなるまで元気にお店を支えてきた。奥様の和子さんは現在もお元気で夫婦が揃って無病息災でここまで来られたことを誇りとしておられた。また、現役の時、培ったお客様が良いお友達になって老後が楽しく有り難いと話された。
 30年前道路拡張に伴い店舗兼住宅を新築したが、ここで3代目が正式に事業継承を決めたことで店舗改装を決断した。

 補助金制度活用を考え商工会に出向き相談したところ「小規模事業者持続化補助金制度」を知り複雑な申請書類も自分で作成して早期に補助金が受けられるように努めた。5月19日全面改装に踏み切り約1ケ月かけて6月17日リニューアルオープンした。

木目を生かした店内 店の前にはお祝いの生花、店内には色彩りどりの胡蝶蘭が開店の賑わいを一層引き立てていた。

 商品構成はアイスや雑菓子などの仕入れ商品はカットして従来のオリジナル品に新商品を加えすべて自家製品に切り替えた。

 和洋菓子に季節の上生菓子、慶弔用の引き菓子のケースが並び中央には椅子を兼ねた台座が置かれ、引き菓子の注文もじっくり選べるなど塩梅良く配置されている。

 店の看板は二代目奥様の美幸さんと近くに嫁いだ長女の知里さんの二人が守っている。菓子博受賞の賞状や製菓衛生師免許証も壁面を使い控えめながら巧みに掲示され信頼感を醸し出している。

 改装では将来を見据えた販売方法を意識した店づくりが行われ、特にキャッシュレス化に対応したレジスターを採用、取り扱いは改装工事中に学習した。店舗・商品のPR等もインスタなどのSNSの利用をして経費削減を考えた。

 新装開店では特にチラシ等による宣伝は行わなかったがSNSの効果は十分に感じられ、新規のお客様も確実に増えた。

新装なった・お菓子の国「明月堂」 営業は通勤客が多いことから午前8時開店、午後7時閉店。休日は毎週木曜日、月一回は水・木で連休をとっている。

 店舗と工場が一体となっていて、お客様は会計をしながら工場の様子が良く見え製造直売の良い宣伝に役立っている。逆に現場が良く見える事から昨年より実施されているHACCPに沿った衛生管理の徹底に務めている。

 初代から同業者との交流を深め業界の発展に貢献してこられた。淳之さんは現在、富士宮菓子工業組合長と県菓子工業組合専務理事を務められている。また、県組合青年会長も歴任された。

 最近の菓子業界では後継者難で廃業の店舗が増えているなか「明月堂」さんの三代目誕生のニュースは名前の如く明るい便りだ。多くの若者の夢が膨らむような菓子店を業界あげて目指して行きたい。

 静岡県菓子工業組合顧問理事・森田紀