兵庫県菓子店

2022.06.15

兵庫 髙山堂

自販機で和菓子離れを防ぐ!

髙山堂 髙山堂(たかやまどう)は明治20年に大阪市中央区で創業し、現在は兵庫県西宮市に本店を構え阪神間で6店舗展開する和菓子屋です。直営店での販売の他、観光土産を中心とした卸売りもしています。コロナ禍で贈答・手土産需要、観光需要が蒸発し、売上・利益共に大打撃を受け、2020年4月〜6月は売上が50%未満になるほどでしたが、現在ではコロナ前の80%ほどにまで回復してきました。おやつ商品の開発や品質向上を目的とした原材料の見直し、働き方改革、新規得意先の開拓、オンラインを活用した効率的な商談や会議の実施、補助金の活用、金融機関や税理士との連携強化、コロナ融資…と様々なことに取り組んで参りましたが、その中で業績回復に一役買ってくれているのが「自動販売機」です。

 コロナ前から、自販機で和菓子を販売するアイデアはありましたが、なかなか実行に移すきっかけがなかった所、コロナと事業再構築補助金がきっかけとなり導入を決意しました。また、コロナ禍で営業時間を短縮したところ、従業員からは「家族と夕食を食べられるようになった」などと好評で働き方改革の推進にもつながり、コロナ収束後も営業時間は元に戻さないよう社内決定したため、お客様にご不便おかけしてしまう一面を自販機で少しでも解決したいという思いもありました。事業再構築補助金の申請は大変でしたが、金融機関からの手厚いサポートを受け無事採択され、計画通り3店舗に各2台、合計6台の自販機を購入設置しました。私も含め従業員も自販機を管理するのは初めてのことで不安もありましたが、いざやってみると思った以上に従業員もスムーズに運用できるようになり、今では商品がつまって出ない、釣り銭が出ない、などのトラブルもかなり少なくなっています。自販機は各店とも店の前に設置しているため、お店に入店されるお客様が減らないかという心配もありましたが、導入後すぐにその心配はまったく無用であったことがわかりました。それどころか、今までご来店なさらなかった若年層が大幅に増え、小学生や中学生だけで自販機を利用してくれる場面をみかけることも日常茶飯事です。自販機でご購入された後に、店内に入ってきてくださる方も多く、和菓子屋独特の敷居の高さを下げることにとても役立っています。投資額は1台100万円くらいから可能ですので、お子さまや若い方々に向けて和菓子をPRするには十分な投資価値があると思います。

 数十年前から言われている「和菓子離れ」という言葉がありますが、これは和菓子業界に限らず、お客様に対して常に新しい価値を真摯にご提供し続ける姿勢を保たなければ離れられてしまうという教えだと個人的には認識しています。自販機での和菓子の販売はあくまで1つの手法に過ぎませんが、お客様に寄り添った新たなご提供方法として「和菓子離れ」を防ぐものと確信しています。

 兵庫県菓子工業組合青年部・全菓連青年部近畿ブロック長・竹本洋平