各地の菓子店探訪
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上尾市 大木製菓有限会社

コロナでも芋菓子で頑張ります

銘菓色々 2年以上続いているコロナ騒動は菓子業界に大きな混乱をもたらしました。特に和菓子屋の影響が大きく祝事と法事を含むギフト商品が壊滅的縮小を余儀なくされています。そんな中でコロナの影響は有っても得意な原材料に絞って専門的に菓子製造販売を頑張っている店舗があります。今回は芋菓子で頑張る上尾市大木製菓有限会社を紹介します。

芋菓子いっぱいの店内 代表の大木浩一さんに話を伺いました。「昭和9年に上尾市に大木製菓を創業し、最初は店売りをやらず川越市を中心に芋納豆と芋けんぴの卸売専門でやっていました。約40年前に『彩火菓庵おおき』を上尾市街地に開店させ店売りを開始しました。10年前に息子の売店として川越市に『芋屋初代仙次郎』を開店し店売り専門店になりました。創業以来の芋納豆は平成6年全菓博で大臣栄誉をいただき、芋けんぴは平成10年に全菓博栄誉大賞をいただきました。3年前に川越店をリニューアルし、芋ソフトクリームの販売を始めさつま芋チップスを店頭で揚げて川越芋チップスとして量り売りの実演販売したところ売り上げが大きく伸びました。上尾市も人口は多いですがベッドタウンと観光に力を入れている場所では売れ行きが一味違います。観光客が多い川越店が好調なので買い物客が多い大宮そごうの銘店売り場に出店してみました」

 創業以来の芋けんぴは商品名『いも松葉』。芋納豆は商品名『妹小町』と名付けてみたそうです。両方ともに創業以来変わらぬ看板商品です。ギフト商品開発にも余念がなく、折角の看板商品を食べきりサイズに個包装して芋納豆を『金の芋』、さつま芋チップスを『銀の芋』と同じ商品を容量によって違う商品名にしたところ好評だそうです。次の芋菓子として研究中なのが林檎と芋餡をパイ生地で包んで焼いた『ポテリンゴ』でまだまだ研究中だそうです。10年前から生菓子も作り始めて芋羊羹やスイートポテトの定番品からさつま芋プリンと多彩な芋菓子レパートリーです。コロナ騒ぎ以降は桜餅等和菓子から流行のフルーツサンドイッチまでお客様に喜んでもらえればなんでもきめ細かく製造しはじめました。根本にあるのはさつま芋で綴る芋菓子の物語。コロナのような菓子店経営の危機にあって一つの原材料にこだわり続ける個性の差別化と強さが有ります。

 埼玉県菓子工業組合副理事長兼専務理事・中島祥夫

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