三重県菓子店

2022.04.15

伊勢市 藤屋窓月堂

伝統と開拓でお菓子の価値向上へ

利休饅頭 今回ご紹介する会社は、三重県伊勢市に居を構える「有限会社藤屋窓月堂」様です。明治初年創業で和菓子は文化であり、生活にゆとりとうるおいをもたらすものであるとの認識のもとに、お菓子の色、形、味にこだわって、真心を込めて菓子つくりをおこない、餡こそ和菓子の生命であると考え、北海道産のうずら豆、小豆を仕入れ、自家製餡にこだわったお店です。

 店舗は伊勢神宮の内宮門前町である「おはらい町」にて暖簾をまもり、地域の方や参拝される方々に愛されながら盛業され、現在では本店(おはらい町)、本館(国道23号線沿)、宮町支店(市内宮町今ノ社前)の直営3店と卸売先数社で営業されています。

 商品は、創業以来のメイン商品の「利休饅頭」をはじめ、守武の松(とら焼)、季節の上生菓子、朝生菓子、棹菓子、羊羹、カステラ、ブッセ、焼菓子、落雁、慶弔用引菓子、紅白上用饅頭、鯛菓子、赤飯等、和菓子全般にわたって製造、販売されています。

月と犬 お話を6代目であり現在34歳の若きリーダー吉尾雄介社長にお伺いいたしました。

~吉尾社長が社長に就任された経緯をお聞かせください~

 私は生まれも育ちも千葉県でして大学時代に叔父のお店であるここ藤屋窓月堂でアルバイトを始めることになり、その時みた、職人さんたちの手つきをみて和菓子職人という道もいいなとこの世界に飛び込みました。

 和菓子職人になりたいと大叔父に告げたところ、基礎をしっかり学びに行きなさいと「東京製菓学校」に入学し2年の充実した時間を過ごし帰ってからは工場での勤務などを得て現在に至ります。

~大変変わった経歴をお持ちですが老舗のお店に外部から入るご苦労などはありませんでしたか?~

藤屋窓月堂 そこは全く問題なかったです。40代くらいの職人の方ばかりでしたので皆さんから優しく迎えていただき日々学びながらのよい時間を過ごしてきました。

~現状の商品を大切にしながら他業種とのコラボ商品もたくさん出されているようですがきっかけはどういったものだったのでしょうか?~

 「明野高等学校」様とのコラボ菓子を作ることをきっかけにこういう菓子つくりも面白いなと思いました。その後は、津市の有名なフレンチレストラン「ミュゼボンヴィヴァン」様とのコラボどら焼きや地元の人気洋菓子店「フランフラン」様との焼き菓子、「富士珈琲」様とのわらび餅や水ようかんなど作ってきましたが、それらいずれもご紹介やたまたまのご縁からなるものでご縁の不思議さと尊さを感じました。

~そのようなご縁もきっと吉尾社長の人柄なのかなと思いますね。コロナ禍でのご商売に関しては何か影響ありましたか?~

吉尾雄介社長 伊勢は観光地ということもあり打撃はありましたが幸いにして地元のお客様の個人消費の伸びなどもありましたし、先ほど話したようなコラボレーションすることによって新たな商品展開ができていたので助かりました。おやつ需要の商品開発を進めたことが困難な時代にも立ち向かえるなという自信になりました。

~大変すばらしいことですね。今後の展開などはどうお考えでしょうか?~

 伊勢市は遷宮も控えていますし、その時に出せるお菓子なども考えていきたいと思います。お菓子の価値を上げていくことを今後も進めていきたいと思います。

 伝統ある地で新しい価値観を開拓し盛業されている吉尾社長のお話を聞きさらなる発展を感じました。吉尾社長の今後の活躍に期待したいと思います。

 全菓連青年部中部ブロック長・岡本伸治