鳥取県菓子店

2022.02.16

コロナに負けないお菓子屋さん

意欲的な4社を紹介

麒麟獅子舞 2021年はコロナで明け、コロナで暮れた年と言っても過言ではないだろう。全国的な第5波の影響は、鳥取県内でも繁華街や観光地の人影をまばらにするほどだった。ところが、どんな逆風だろうとも鳥取県の菓子業界、負けてはいない。鳥取県が全国に誇る古代ロマンを題材にした新製品や、海外生活で学んだ知識と技術で鳥取の新しい魅力を産み出そうと意気込む職人や、昔ながらの培った伝統を研ぎ澄ましてコロナを克服しながら菓子産業を振興しようとする意欲的な姿がある。今回はそんな4社を紹介する。

【創菓庵】(鳥取市南町、谷本久夫)
 庵主の谷本久夫さん(83)の頭には新製品へのアイデアが詰まっている。コロナ禍で山陰地方への観光客が激減し、土産品業界の悲鳴を耳にしているうちに創作意欲が湧いてきた。題材は鳥取市白兎と河原町に伝わる大国主命と八上姫の古代ロマン。ワニに皮を剥かれた白うさぎに施した医療行為は「ガマの穂綿」、我が国初の恋愛結婚ともいわれる2人のなれそめは「姫の輝き」としてそれぞれまとめた。さらに、2022年が寅年であることと因幡を発祥の地とする麒麟獅子舞を念頭にどら焼き「どらきりん」を産み出した。

【城北たまだ屋】(鳥取市松並町、藤縄理直)
 3つの創作せんべいが人気だ。「星取せんべい」は、冴えた空気で夜空の美しい鳥取県が「星取県」と尊称されることから、近くの鳥取城北高校地域デザイン部(現・アントレプレナー部)が発想した企画。続く「鳥取弥生人みそせんべい」は、1800年前の脳みそが残っていた青谷上寺地遺跡をモチーフに鳥取市観光コンベンション協会の依頼を受けた。地元の青谷みそを使っている。3つ目の「八上姫ロマンチックロード」は、出雲の大国主命と因幡の八上姫のラブロマンスが題材で、鳥取市の地域起こし家・福田修三さんが持ち込んだ。

【洋菓子のコバヤシ】(鳥取市千代水、小林公雄)
 パンと焼き菓子(クッキー)を主製品に、社長夫妻と長男・公之輔さん(43)の3人で営む。広島大学で発酵学を学び、2004(平成16)年にドイツで修業を積んできた公之輔さんには大きな夢がある。鳥取でドイツパンを普及させたいという思いだ。ドイツパンはライ麦を原料とするものが主流で、香ばしい香りと素朴な味わいを特徴に、噛めば噛むほど味わいが広がる。自家製の天然酵母に工夫を重ね、プレッツェルなどを移動販売でトラック市や市内の事業所、学校などを回って普及に努めている。コロナが収まれば更なる飛躍に挑むつもりだ。

【亀井堂】(鳥取市徳尾、地原忠実)
 学校給食のパンといえば亀井堂を思い浮かべるほど、鳥取市民には身近な存在だ。創業は明治36(1903)年で120年近くを「愛されるパン作り」にかけてきた。その思いは、全国を席巻したコロナ禍の中にあっても変わることはない。食パンの耳を一口サイズにカットして食べやすくした「ラスク」、特製のピーナッツバターと苺ジャムを挟んだ「サンドイッチ」く、揚げパンにこし餡を挟んだ「マイフライ」の3品は食パンの関連商品として人気を保っている「親、子、孫3代に渡って食べています」と嬉しい言葉が励みになると地原忠実社長。

 鳥取県菓子工業組合理事長・小谷治郎平